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鍵盤のファンタジスタ、天空へ旅立つ [音楽]

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あまりにも唐突でした。

米国のジャズピアニストで巨匠として名高いチック・コリアが2月9日に死去(享年

79歳)という情報が昨日(2月12日)舞い込んできました。

死因は「がん」とのことですが突然入ってきたニュースにワタシとしては最も敬愛

するアーチストのひとりであったため深い悲しみに包まれています。


   思えば2月7日にミュージックカフェ(と敢えて呼称します)高円寺・yummyへ

年が明けてから初めて訪れたのですが、これはチック・コリア氏の導きがあったの

ではないかと今ふり返ってみて勝手に考えております。

そもそもは先日テレビのワイドショーで『緊急事態宣言下で頑張っている飲食店』と

して『私語禁止』を掲げて取り組んでおられる姿が取り上げられていたので冷やかし

に、もとい称えに行ってみようと思ったのです。

yummyはノーチラス&アキフューズのオーデイオ機器を備えているので元々マニア

からは垂涎ものでした。

なので音楽をじっくり鑑賞したいお客様には『私語禁止』は願ってもないシステム

なのです。

実際ワタシもお昼過ぎに訪れたのですが、その時居合わせた数名のお客は一切言葉を

発せず飲食しながら真に音楽を楽しんでいる様子でした。

そしてひっくり返りそうなほど驚いたのはレコードから流れてくる音のクオリティ

が格段に向上していると感じたことです。

もちろん『私語禁止』としている故以前よりもかなりボリュームをアップしてかけて

いることも一因でしょう。

また最近レコード針を折ってしまったので最高級品に買い替えた、という出来事を

yummyがSNSで発信していたのを知っていたのでその辺りもワタシとしては期待

したのです。

しかしそれだけではなく更なる音響効果アップのためマスターが店内壁面や天井に

吸音材を取りつけたそうです。

こうしてかつてのジャズ喫茶を彷彿させるような音楽のシャワーを浴びながらワタシ

は冬季限定かつyummyオリジナルの<ゆずホットワイン>をゆっくりと嗜ませて戴き

ました。

BGMはと言うとモダンジャズの4ビートを刻む心地よい演奏が終わり、次はどんな曲

がかかるのかな、とワクワクしていたら<チック・コリア/サムタイムアゴー~ラ・

フィエスタ>でした。マスターがワタシの好みを把握していてかけてくれたのです。

目をつむって鑑賞していると頭の中で華奢にして機敏なチック・コリアのピアノや

大柄で一見ぶっきらぼうな印象のスタンリー・クラークのウッドッドベースによる

演奏が浮かんできます。

もう9年も経つのかな、名古屋で単身生活を送っていたとき、チック・コリア来日

の情報を受け平日の夜でしたが残業を乗り越えて聴きに行ったのが昨日のことの

ように思い出されます。

このときチック・コリアは既に70歳の大台を迎えていたにも拘わらずダイナミック

な演奏を繰り広げてくれたのがとても印象に残っているのです。


それと、もう4年以上も前になりますがテレビのBS放送でチック・コリアの75歳を

祝うためもうひとりの巨匠ピアニスト=ハービー・ハンコックが駆けつけデュオで演奏

するという番組が放映されたのをワタシは録画して残しておいたので追悼の意を込めて

改めて視聴してみました。


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ニューヨークのブルーノートにおいてデュオで演奏。


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チックの指は細く長く繊細な感じでいかにも名ピアニスト然としています。


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対するハービーの指は対照的で力強くてエネルギッシュさが感じられます。


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顔立ちはラテン系ですが生まれはアメリカ・マサチューセッツ州。


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68年チック27歳のときマイルス・デイビスのバンドに参加、頭角を表す。



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マイルスの指示でもあったがいち早く電子ピアノを駆使。


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71年にマイルスバンドから脱退し「リターン・トゥ・フォーエヴァー」立ち上げ。


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1978年 盟友ハービーとのデュオ発表、ハービーとは50年来の親友かつライバル。


チックより1歳年上のハービー・ハンコックはさぞ悲しんでいることでしょうが、

われわれ音楽ファンとしてはぜひともハービーにはこれからもまだまだ健在で

過ごして戴き引き続き素晴らしい演奏を紡いでもらいたいと願うばかりです。



合掌



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