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【豪徳寺】『弎世仏』と〔無名戦士記念慰霊碑〕 [地域]

年が明け令和3年がスタートして10日ほど経ちますが首都圏は緊急事態宣言が

発出され非常に険しい状況です。

危機管理意識の低いワタシでもさすがに不要不急の外出は避けるように心がけて

おります。

そんな中ですが緊急事態宣言発令前の正月三が日は毎年恒例としている<世田谷/

豪徳寺>へ新年のあいさつに出かけてまいりました。



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さて<豪徳寺>と言えば「招き猫」が有名で多くのSSブロガーがその写真の数々を

取り上げられていらっしゃるのでご存知の方も多いことかと存じます。


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最寄り駅である小田急線のその名も<豪徳寺>駅。

駅前ではこんな一体が歓迎してくれています。


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しかしさらにここよりも近い最寄り駅はこの記念車両が展示されている東急/

世田谷線の<宮の坂>駅です。

ちなみに展示車両は世田谷線の前身である玉川電機鉄道(通称:玉電)時代に活躍

していた車両でここに展示される前は江ノ電として活躍されていたそうです。


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<宮の坂>駅からショートカットの裏道を通れば数分で山門に到着します。

そしてその山門に掲げられた扁額には『碧雲関』との記載。

もちろんこんな達筆な草書体はとても解読できないので調べてみました。

碧(あお)い雲関(うんかん・・あの世との境)という意味のようですね。


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山門をくぐり参道をまっすぐに進むと〔仏殿〕が現れます。


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こちらの扁額には『弎世仏』と記載されています。

「弐」(=二)ではなく「弎」(=三)なのですよ。

こんな漢字があることを初めて知ったときは何かとても賢くなった気分に浸れま

した苦笑。

ちなみにこのことは何年か前に訪れた時に現地のボランティアガイドさんから教

わったものです。

この仏殿には阿弥陀如来像・釈迦如来像・弥勒菩薩像がまつられているのですが

それぞれが過去・現在・未来を象徴しているので『弎(三)世仏』と称されるそう

です。(これもガイドさんから受けたうんちくでした。)

なお残念ながらこれら仏像は非公開です。


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仏殿から左に折れると冒頭写真で紹介した〔招き猫〕の数々がまつられている

〔招福殿〕のエリアです。


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この像は今まで見覚えがなかったので新しく建てられたのではないかと思います。

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さて〔仏殿〕からこの〔招福殿〕へと向かう参道の途中に華やかな招き猫の人形

たちとは真逆となる暗くて地味ですがかなりなサイズで迫力の墓碑が佇んでいます。

日本人の所作としてここの前は素通りできず目をつむり手を合わせてしまいます。


〔無名戦士記念慰霊碑〕(*写真は撮っておりません。ご了承ください)


          いくさの旅にさまよい果てたる


          はらからよ

 

          ここにかえりて


          やすらいたまえ


          日本大学教授  山田 孝雄


若者が腹を押さえて横たわっているレリーフの下に上に記した文字が刻まれて

いるのです。

なお山田教授についてプロフィールを調べてみたところ後に皇學館の学長を務

められた偉大な戦前の国語学者でした。

それにしても『はらから』なる単語は戦前の文学作品でも紐解かない限り令和
の現在ではまずお目にかかることはありません。
ぜひとも美しい日本語として残してほしいと切望します。
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『行雲流水』

コロナ禍で再度の緊急事態宣言発令と言う未曽有の年の幕開けとなりましたがこの

ことわざを肝に銘じて今年一年を乗り切りたいと考えます。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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