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寂しげに佇む国立競技場 [ニュース]

8月1日の日曜日、猛暑とコロナ禍まっただなかでしたが、オリンピック開催中の

国立競技場にどうしても会いに行きたかったのでちょっとチャリンコにまたいで

視察をしてまいりました。


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水を打ったかのような静寂。

本来であればハチの巣をつついたごとしの賑わいであったはずなのに・・



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木に止まってがなりたてる蝉が不自然に静まり返る世界の祭典の場をがんばって

盛り立てていました。



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観戦がかなわぬ人びとが(私と同じ思いで)56(否、57)年ぶりに帰ってきた世界のアス

リートたちが一堂に会するスポーツの殿堂を目に焼き付けようと訪れています。


   しかし悲しいことに殿堂と道を隔てて対峙する黄色い看板の人気ラーメン店は閑古鳥

が鳴いていました。

今や日本のラーメンは海外で大ブームとなっているだけに、世界の人びとに日本が誇る

とんこつスープでサプライズに浸ってもらいたかったです。




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<茶室『五庵』/藤森照信  パビリオン東京 作品>

その著名なラーメン店のとなりで奇抜なオブジェに出会いました。

海外から訪れるオリンピック観戦者がさぞ度肝を抜くだろうな、と思わせる

ようなたたずまい、無観客となってしまったのが残念です。



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ここはさすがに賑わっています。記念撮影の順番待ちが長蛇の列をなしていました。



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絵画館前通りは人っ子ひとりおらず、警備の警官ひとりだけというまさに

コロナオリンピックの象徴的風景。


                    ◇                    ◇                    ◇                    ◇


8月5日は東京都の新型コロナ感染者が5千人を超え空前の状況となっています。

医療従事者や感染で命を落としたり深刻な病状と現在形で闘っているひとびと

からするとこの環境下でオリンピックを開催したことは赦せない決断と思って

いることでしょう。

ただ今回のオリンピックでは地元開催というアドバンテージもあってか、いつも

以上に感動的な結果が数多く見られるのでそのたびに心が洗われそして自分自身

がポジティブになれる機会も増えているものと痛切に感じます。

この気持ちを大切に持って先の見えないパンデミックに立ち向かってゆきたいと

考えます。



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流行語大賞『ONETEAM』と<チェスター・ウィリアムズ>のビール [ニュース]

(下書きの段階でアップしてしまい、一部の方にお見苦しい点をさらしまして大変

 失礼いたしました、また申し訳ありませんでした。)


今年の流行語大賞が発表されました。

大方の予想通り『ONE TEAM』が受賞となりました。

ノミネート30語のうち『にわかファン』『4年に一度じゃない。一生に一度だ』

『笑わない男』とラグビーワールドカップ関連が計4語エントリーされたことを

振り返ってもいかにワールドカップがブームを巻き起こしたかがうかがえます。

(笑わない男の)稲垣選手に『ONE TEAM』が大賞に選ばれたことをイン

タビューすると「ワンチームってよく言われますが、僕らは4年をかけて、チー

ムとしての文化を創り上げてきたわけです。その文化がワンチームなんです・・」

との答えが返ってきます。

また堀江選手も「ワンチームという言葉だけでワンチームになる、ということは

絶対にない」と発言しています。

彼らジャパンで活躍した当事者たちからの発言が示しているのは『ONE TE

AM』の真の意味は決して監督やヘッドコーチが掲げるトップダウンではなく選手

たちから声掛けして出来上がっていったボトムアップだということです。

流行に乗って、会社の上司が部下たちに「ワンチームでこのプロジェクトを成功

させてくれ」というような使われ方は典型的な誤用です。


それから堀江選手は「ラグビーをやっている人たちはみんなワンチームという

言葉は使ってきたと思います・・」とも述べています。


時は遡って今から24年前の1995年に第3回ラグビーワールドカップが南アフリカ

で開催されました。

この開催地の決定はラグビー界ばかりか世界においても画期的な出来事でした。

その1年前にかの有名な<ネルソン・マンデラ>大統領が誕生しアパルトヘイトが

撤廃されたことによりそれまで真の王者と言われてきつつもラグビーワールドカッ

プへの参加が認められていなかった南アフリカが加わることとなったのです。

そしてそのときのチームスローガンがなんと『ワンチーム・ワンカントリー』です。

分かりやすく言えば白人もカラード(非白人)もみんなひとつのチームとなって

戦い、ひとつの国となって応援しよう、ということなのです。

当時南アフリカのナショナルチーム=スプリングボクスの選手は殆ど白人で固めら

れていましたがその中で唯一人カラード(非白人)の選手が活躍していました。

その人こそ伝説のプレーヤー<チェスター・ウイリアムズ>氏です。


訃報 2019年9月6日 チェスター・ウィリアムズ氏 逝去 享年49歳 心臓発作


なんとも悲しいことにワールドカップ開催の2週間前にこの世を去ってしまいました。


さて、先日ラグビーウォッチャー仲間と横浜にあるラグビーダイニングバーで出会った

クラフトビールです。


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<チェスターズ IPA>

チェスター・ウィリアムズさんの名を冠したビールに出会いました!

なんでもこちらのお店のオーナーさんの働きかけがきっかけで、チェスターさん

自らが材料の選定や味のプロセスにも関わりかつ日本へ出荷するときもビールの

ケースをコンテナに積み込んだそうです。

しかもここのバーでチェスターさんがトークライブを行う予定だったとか・・・


味の方は苦甘くて濃厚な味わい、ワタシ好みの味覚でした。アルコール度数は

7°と濃いめです。


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メニューに目をやるとワールドカップ出場国のビールがずらり。

次回訪れたときの愉しみとしてとっておくことにしました。


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チェスター・ウィリアムズ氏のTシャツなどのグッズも揃っている

ようで、こちらも次回のお楽しみにしようかな、と。


ということで、流行語大賞の『ONE TEAM』フレーズつながりで故チェス

ター・ウィリアムズ氏をしのんで献杯し、いっぽう改めて南アフリカの優勝を祝

う乾杯を行いワールドカップロスをかみしめているのでありました・・・









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ふくろうカフェ【パクチーバル/高田馬場】 [ニュース]

昨日の読売新聞夕刊三面記事でフクロウカフェのことを取り上げていましたが

http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151128-118-OYTPT50391/list_NEWS%255fMAIN

実はつい先日地元高田馬場で「初ふくろうカフェ」体験をしてきました。

ワタシのウォーキングコースに1年ほど前からオープンしたお店なのですが、

外側のガラス越しからまるで人形のように愛くるしくて微動だにしないふくろう

たちを眺めることができるので、ウオーキング中なのについつい足を止めて

見入ってしまうのです。

曽根風呂で取り上げられている方もおりまして、ワタシも機会あらば外から眺める

だけでなく中に入ってふくろうさんたちに挨拶をしたいなあとかねがね思っておった

のです。

でも若いカップルや女性が多い店なのでとてもおじさんひとりで入るほどの度胸

は持っておりません。

そんな矢先の先月、甥っ子にご馳走することとなり高田馬場に呼び出したので

1軒目に向かったとんかつ屋(そうそう、高田馬場と言えば「ラーメン」を想定

されるでしょうが、実は人気と実力を備えたとんかつ屋も多く存在するのですよ

いつか取り上げたいと思います)の後に目指すお店ふくろうカフェ<パクチー

バル>に向かったのでした。

ところが悲しいことにその日はお店の灯りが消えているじゃあないですか!

休業日だったのです。(泣)

よくリサーチせず思い付きで行動するのでこういうことはしょっちゅう。

甥っ子くんには諦めてもらいましたがワタシの好奇心の灯は勢いを増してしまい

ました。

しかし再び目指すお店を訪れるチャンスがすぐ巡って参りました。


先だっての祝日に普段離れて暮らしている長女が久しぶりにワタシのところを

訪ねてきたので、すかさずふくろうカフェに連れ出したわけです。

この日も事前リサーチなしで挑んだので一発勝負でしたが、さすがに書き入れ時

たる休日の午後ゆえお店は開いており、しかも行列ができるほどの盛況ぶり。

それでも待つこと約10分で店員さんに導いてもらいL字カウンター8席とテーブル

2席の狭い店内に入ることが出来ました。

店員さんからシステムの説明を受けます。

1時間 ワンドリンク¥1,000 好みのフクロウを自分の手に載せて鑑賞する

ことができるそうです。休日の昼時間のみ手に載せての鑑賞ができるとのこと。

へえー、かごの中のフクロウくんたちを眺めるだけなのかと思っていたのでこれは

嬉しい誤算でなんか儲けた気分でした(^^♪

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ミント味のカプチーノをオーダー、ラテアートはかわいいフクロウさん

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娘が注文した方はちょっとコワモテ。

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入店してから15分後くらいに待望のフクロウくんがやってきました。

娘が希望したのは小さくておとなしめのフクロウくんです。

あ、さすがにフクロウが勝手に来てくれるほど利口でなついているわけでは

なく、さりとてお客がかごの中から取り出せるほどフクロウが飼いならされて

いるほどでもないのでちゃんと店員さんが運んでくれます。

テーブル上には衛生面への配慮のため大き目のテーブルナプキンを敷いてくれます。

またテーブル前方にはペット用消毒液が置いてあり、フクロウくんとのご対面

前に掌を消毒しておきます。

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人に対してまったく物おじせず。

フクロウくんの関心事は天井の方にあるようです。

ちなみに入店直後の店員さんの説明でふくろうの特徴的な行動について色々教わった

のですが、その中に、ふくろうがたまに首をぐるぐると回すようなしぐさ(いわゆる

エグザイルダンス)をするときがあるが、これは幼いふくろうの場合であって視力が

まだ十分でないため首をぐるぐる回すことにより見るものの距離感を測っているのだ

そうです。ほほう、なるほど、蘊蓄がひとつ増えました。

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また目と目の間の上あたりのオデコ部分を撫でてもらうのを好むそうで、

このように恍惚に浸った表情を見せてくれます。

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店内にはフクロウくんたちのカタログも置いてあります。

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さて2番バッターも小さくておとなしい子を指名したのですが、ご覧のように

ちょっとやんちゃな表情をした子が来ました。

でも前の子と同様、とてもおとなしかったですよ。

だって隣のお客さんが手に載せてたフクロウくんはやや大きめでかつ途中で

興奮したのか羽をばたつかせ飛ぼうとするそぶりを見せていましたからね。

*    *    *    *    *    *    *    *

 ということで世の中の流行りには無頓着なおじさんですが、間近で見るフクロウ

はホントに愛くるしかったので、今回ばかりは流行に乗ったふくろうカフェ訪問記

でした。


新潟県・長岡市【山本五十六/連合艦隊司令長官】の生家 [ニュース]

さる8月15日の終戦記念日にハワイ・真珠湾で新潟/長岡の花火が打ち上げ

られました。

いっぽう長岡の花火大会は長岡市が大空襲の被害に遭った8月1日に対して

慰霊を目的として毎年8月2,3日に開催されます。

(この、日にちを固定しているところが〇月〇週の土曜日開催といったような

 単なる祭りの行事として開催される他の花火大会とは大きく異にしている

 ところです)

毎年開催後にはニュースなどマスコミで取り上げられてきましたが、今年は

開催日前にハワイの真珠湾で長岡花火が打ち上げられるというニュース

がさかんに取り上げられ話題となっていたのでワタシとしては注目をして

おりました。

と言うのも長岡はワタシの先祖生誕の地であり、しかも自分のおじやおば(と

言ってもまだ小学生以下の時分でしたが)に当たる方々4人が東京からの疎開先

である長岡で空襲に遭い命を落としているのです。

 話を真珠湾での長岡花火打ち上げに戻します。

今朝NHKテレビニュースの中でその真珠湾長岡花火を特集として取り上げていた

ので思わず見入ってしまいました。

このプロジェクトの発端は、日本で生まれた後アメリカ空軍士官として活躍され

現在ハワイ日米協会名誉会長のエドウィン・ホーキンス氏が6年前に長岡市を

訪れたことがきっかけ、と紹介されていました。

氏はそのとき長岡花火の存在とその意義を知り、また長岡市が真珠湾攻撃を

指揮した連合艦隊司令長官・山本五十六氏の出身地であることも知り、そのとき

自身がハワイ日米協会長の要職に就いていたこともあり長岡市に不思議な縁を感じ

られたことより、真珠湾での長岡花火打ち上げを提唱したそうです。

爾来その実現に向けて3年前にホノルル市と長岡市の姉妹都市を結ぶなど尽力された

結果このたびの実現に漕ぎつけたのでした。

さて、先日法要で長岡を訪れたので戦災資料館や山本五十六記念館、そして山本

五十六記念公園を訪れてきました。

戦災資料館や五十六記念館は撮影禁止、でも五十六記念公園には山本五十六の

生家が復元されており写真撮影も自由なので司令長官に敬意を表してアップ

致します。

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木造二階建て

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長岡藩が藩訓とされ司令長官もよく使用していた「常在戦場」

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居間の押し入れには司令長官の写真や位牌が・・

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胸像
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少年時代

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(現在と比較すると)かなり質素な台所

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二階へとつながる階段(九段しかないのでかなり低い)

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2階(天井も低い)  この反対側は五十六氏の勉強部屋
ご覧の通り、相当に質素な造りです。
戦前~明治・大正年代の平均的な住まいはこのような感じだったので
しょうかね?
それにしても昭和18年4月18日ラバウルで戦闘機搭乗中に命を落と
された山本五十六元帥・・よもやハワイの真珠湾でわが故郷の花火が打ち
上げられるとは天国で腰を抜かされていることでしょうね(^^)/

 

「生活保護」問題を考える&推薦本「日本人の誇り」(藤原正彦・著) [ニュース]

テレビ番組を宣伝する訳ではないのですが、

TBS系列の「サンデージャポン」はキャラが濃い芸能人や文化人たちが

柔軟織り交ぜた旬なテーマを斬る様が興味をそそるので、わたし的には

よく観る番組のひとつです。(裏番組のサンデープロジェクトの方が

アカデミックなのですが、日曜の朝から観るには肩が張ってしまうので

ちょっと敬遠)

本日は今話題の生活保護問題で摘発側の主役のひとり「片山さつき」

議員が登場。

議員からタレントに転身した「杉村太蔵」氏と壮絶なバトルを繰り広げました。

太蔵氏は「一個人を批判するのは国会議員がすることではない、ただ目立ち

たいだけでしょ」と片山氏を激しく攻撃、一方の片山氏は涙目になりつつも

冷静かつ理路整然と対処していました。

どう見ても片山氏圧勝のように見受けました。

弁護士の八代氏は常に的確でバランスのとれた発言をします。

今回のふたりのやりとりに対しても「片山氏の取った行動は正しいことで

評価できるけどブログで個人攻撃をするような格好になったことが少し

残念」とコメント、なるほど大多数が賛同するような発言だなぁ、と感心。

いっぽうMCの太田(爆笑問題)は前週のこの番組で芸人の河本を擁護し、

片山氏を非難するような論調だったにも拘わらず、この日は片山氏に口で

叶わぬと瞬時に察したのか、論点をそらしたコメントでお茶を濁していた。

個人的には「片山氏」という政治家、主張はするが義務は負わないという

勝手なイメージを持っていたので期待も評価もしていませんでしたが、

今回の問題提起については全面的に賛同します。

私のまわりにも(噂の域ですが)生活保護を受給していながら、新車を

乗り回している、というケースを見ているので役所にはしっかり対応して

ほしい、との意見は強く持っていました。

 

私はこの問題が露呈されたとき「給食費未納問題」を連想してしまいました。

どちらも日本人のモラル低下、いや道徳観・倫理観の欠如だと考えます。

どうしてこれほどまでに道徳観念が無くなってしまったのでしょうか。

その傾向と対策になるのでは、と期待される本に昨年出会いました。

滅多に読書をしない私ですが大いに共感した一冊です。

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数学者の藤原正彦氏が著した書物です。

数年前に「国家の品格」を著して一大ブームとなった著者の第二弾です。

内容は、日本人の戦後教育が米国GHQの強い干渉の元、自国の歴史・

文化を全て否定、対して西洋文化たる個人主義の推進を図ったことから

自己主張ばかりが美化され、それが「公より個、徳より金、和より競争」が

もてはやされる風潮となりすべておかしくなった。

今こそ自虐的な歴史教育を繰り返すのではなく、徹底的に歴史検証を行った

上での肯定論に基づいた教育を展開することにより、自国を愛して自信を

取り戻そう、というものです。(決して国粋主義を助長する意見ではありません)

東日本大震災のときの日本人の対応には世界からの賞賛を受けました。

我々のDNAにはまだまだ相互扶助の精神が脈々と受け継がれているはずです。

この精神をもっともっと復活・育成させることが生活保護費問題の解決につながる

のではないかと考える次第です。

 

 

 

 

 

 


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平成の毒婦 [ニュース]

名古屋から前橋に転居して以降、帰省時に利用する交通機関はもっぱら

電車になりました。

先日帰省先から前橋に戻る際乗車駅で乗り込む電車まで時間があったので

エキナカの書店に寄って衝動的に買ってしまった新刊本。

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世間の注目を浴び先月判決が下された「例」の事件をレポートし編集した内容。

この事件については新聞のニュース記事程度の情報しか把握していなかったのですが

好奇心が他人よりも少しだけ旺盛な自分にとって、非常に不思議な事件に映って

いたので、週刊誌をまとめ読みする感覚で手にしました。

 

 今回の地裁での判決は3人の殺害を認定し被告(木嶋佳苗、以下佳苗と表記します)

は「死刑」となりましたが、佳苗に係わった男性は4名が亡くなっていたのですね。

起訴された事件以外の一人は2007年の死亡で、亡くなる数日前に佳苗が練炭を購入した

事実まで検察が抑えているものの時が経過していたがため死因との因果関係を調査する

のが困難だったようで起訴を見合わせた模様。

それにしても男目線たる私として実に不可解に思ったこの事件は、ずばり佳苗があの

衝撃的な容姿でありながら次々と男性が結婚がらみで犠牲者となっていったところです。

 

しかし本書を読んで更に驚いたのは、亡くなられた4人以外に何と9人もの交際相手が

登場し、しかも佳苗はすべての男性を惚れさせている。

ある時期など数名との交際を同時進行させる器用さにも触れられていました。

かといえ中には美形男子も含まれており、たとえば佳苗が金銭の要求を行わなかった

いわゆる「恋人」関係の相手は長身のイケメン。

なぜそれほどまでにモテるのか・・・

まず婚活サイトでの佳苗のメッセージは、サイトに登録してくるような男性たちにとっては

実に惹きつけられる文章の巧みさというか才能を持っていること。

その魅力的なメッセージにノックアウトされた男たちはすかさず会う約束を取り付ける。

そして実際に会うと、今度は佳苗得意の手料理で母親のような包容力と当事者(被害者)

たちより相当年下であるがための甘えを交互に使い分けて男たちを術中にはめて

いってしまう手口が綴られている。

 

かつて和歌山毒カレー事件で一世を風靡した「林真須美」死刑囚の行った行為が

「保険金ビジネス」と揶揄されましたが、佳苗の行為はそれになぞらえれば

「婚活ビジネス」とでも言いましょうか。

まじめな思いで婚活サイトへ登録し幸せな出会いを期待している人たちや、社会問題化

している日本人の婚姻率の低下や初婚年齢の高齢化という深刻な事態への脱却の

一助として婚活サイトを運営している事業者たちにとって、佳苗という人物が行った

行為は大変な信用の失墜であり許し難いものです。

本書では触れられていなかったのですが、佳苗が婚活サイトに掲載した、いわゆる相手

への条件を後日調べてみると、職業に関しては医師や金融業界の管理職など高収入に

限定、年齢も自分よりずっと年上をターゲットとするなどしたたかさが見えてきます。

私は男性として、というよりも人間としてその不道徳いや詐欺的行為に義憤を禁じ

得ませんでしたが、筆者の女性は否定も肯定もしていない、いえどちらかと言えば

騙される男性に非がある、というようなニュアンスの論調でした。

従って当然反感を抱きながら読み進めていったので非常に後味の悪い読後感想

となってしまいました。

ただそんな筆者も佳苗のことを擁護するようなレポを続けたにも拘わらず、佳苗本人

からは嫌われているという内容を綴った本人のブログを拝見しました。

 

そして本書やそのブログに釣られて、佳苗が判決を受けた後に朝日新聞社へ

送った「手記」を探して目を通してみました。

その文章力は誰もが評価する通り非常にハイレベルです。

私なぞ使ったことが無い「無聊(ぶりょう)」なる単語も登場するなど語彙力も豊富です。

しかし「人として」の観点からすると0点。

なぜなら亡くなられた方々やその関係者の人たちへの記載が一切無いからです。

もし自分が佳苗の立場で無実を訴える手記を発表するなら(普通の発想だったら)

亡くなる直前まで行動を共にしてきた人物が亡くなっている事実に対して当然

お悔やみのひと言でも触れるだろうに、と思ってしまいます。

(と主張してから、これが凡人の発想であり、その反対意見というものが多々あるの

だろうなぁ、と推測。現に佳苗を擁護いやいや佳苗に惹かれる女性たち=佳苗ガー

ルズの存在もある、と本書で触れていました)

 

最後になりますが、この「毒婦」が卓越した才能を持ち得ていたということは

間違いないと思います。

その才能を世の中のためになる部分で発揮していたらたとえば偉大な料理

研究家とか実業家になっていたのではないだろうか、と感じました。

人生の先輩たちが、どうして降り込め詐欺に引っ掛かってしまうんだろう、と

不思議がる前に(自分が婚活サイトに登録することはないと思いますが)

自分もその類の世の中にうごめいているあまたの誘惑にダマされぬよう

常に知識・情報を磨いてゆきたいと考える所存です。

(う~ん、何か決意表明のようになってしまった)

 

 

 

 

 

 


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高速バス事故について考える [ニュース]

ブログテーマとしてタブーかとも思いましたが、高速バス愛用者であった

(直近で縁遠くなったので過去形です)私の体験が、これから利用しようかと

検討している方に少しでも情報提供が出来ればとの思いで、あえて記して

ゆきたいと考えます。

まず本題に入る前に今回の事故で不幸にも命を落とされた方々へのご冥福を

お祈りします。

また被害に遭われ現在治療されている方々の一日でも早い快復を祈念します。

 

 さて私はこの3月まで名古屋へ単身赴任しており、概ね毎月首都圏へ帰省

していましたが、その際には毎回往復で高速(夜行)バスを利用していました。

4月からは転勤で前橋(そうです。今回の事故で重傷者を多数受け入れた病院が

ある都市です)に移ったので帰省時に高速バスを利用することはなくなりました。

また名古屋以前の居住地であった高松(香川県)や和歌山からも高速バスを利用

していたので、自称ベテラン高速バス愛用者ですかね。

マスコミでも報道されている通り高速バスの路線数はこの数年間でうなぎ登りに

増えました。(30倍だそうです)

私が利用し始めた6年前、利用していた区間ではまだJRバスしかなかったのですが、

現在は様々な会社がこぞって価格やサービスを競争しており、圧倒的に路線が

増えています。

いや正確には路線が増えたのではなく、ツアーが増えたのです。

高速バスを利用するようになってしばらく経ってから知ったことなのですが、

高速バスと言っても「路線バス」と「ツアーバス」に種類が分けられていること。

JRバスに代表されるように大手交通会社などが停留所を設置して運行するのが

路線バスであるのに対し、旅行会社などが企画してバス事業者が運行、停留所

設置の義務などを受けない=手軽に機動的にサービスを提供できるのがツアー

バス、と大まかに選別できます。(すいません、素人なので言葉足らずがあるかと

思いますが、ご容赦ください)

JRバスの肩を持つわけでは無いのですが、JRバスは運賃が高い分必ず(少なく

とも私が利用した高速バス)2名の運転手で運行し、交替で運転していました。

でもJRバスは価格が高いけどブランド力や信用力も抜群なのか、ネットで予約

する私にとってはよほど計画的に相当前から予約しない限りいつも満席状態

なのでまず乗車することができず、従って果てしなく敷居が高く感じられましたね。

それに対して名古屋-東京のコースにおいて、特に格安料金の日中ツアーだと

殆ど運転手は1名でしたね。

一度恐怖を感じたことがあります。

午前中に名古屋を出発するそのバスの運転手は出発前しきりに新宿周辺の

道路交通地図とにらめっこしながら携帯で連絡を取っているのです。

そのとき最前部の席に座っていた私はその会話が耳に入ってきましたが、

到着地点を再三確認している内容だったのでぞっとしてしまいました。

しかもその日はかなりの大雨だったため、非常に不安を覚えた私は運転手を

じぃっと監視しないわけにはいきませんでした。

(おかげで読書も居眠りもできなかった)

幸い何事もなくほぼ定刻で新宿に近づいてきた最後にやられました。

新宿駅西口停車場(そう、停留所ではありません)のメッカであるスバルビル

横にスムーズに辿りつくことが出来ず、駅前を2往復ほど右往左往して30分

近くかかってようやく到着。

結局遅延したので腹立たしかったですが、無事に着いたので胸をなでおろして

下車しましたよ。 

 

と、今は不幸な大事故が起きたばかりで、世間が注目しているところなのでことさら

運転手の教育に余念がないことでしょうから、上のケースなどはもうあり得ないと

思います。

規制緩和のあやとでも言うか、表面上のルール(「670Kmまで1人の運転手で

OK」などという規則にはびっくりしましたが・・)だけをどうにか守って帳尻さえ合わせ

ておけば、あとは可能な限りのコストカット(実はこのコストカットが問題で今回のバス

事故では安全を無視した数えきれないくらいの法令違反が発覚したそうですが)

して格安の商品として提供・・

LCC(格安航空会社)で不幸が起きぬことを祈ります・・・

 

 


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