【福岡県遺構探訪】志免鉱業所竪坑櫓 [旅行]
4月9,10日にとあるイベントに参加するために福岡へ出向くこととなりました。
どうせ遠出するなら1日前倒しして現地入りし久しぶりにワタシがこよなく愛する赤
煉瓦の遺構でもめぐってみようと突如思い立ってちょっとぐぐってみたのです。
すると煉瓦建物ではありませんが気になる構築物というか廃墟にヒットしまして。
<志免鉱業所竪坑櫓(しめこうぎょうしょたてこうやぐら)>
*「志免」は地名で博多から東南方向へ10km程度離れたところに位置しております。
で、いつものクセで全く下調べせず思い立ったが吉日精神で現地への突撃を試みました。
最寄駅の<須恵>を降り立って早歩きで進むこと10分あまり。
目指す構築物が視界に飛び込んできました!
実はこのときお昼前の11時ころでして、昼には博多のお店で人と待ち合わせを決め
ていたため目指す先にたどり着いたらトンボ返りするつもりで小走りで目的地へと
急いだのでした。
全貌が現れました、息をのむ迫力の鉄筋コンクリート。
無機質な重厚物の手前で咲く桜木がいっそう可憐に映えます。
時間との勝負に挑みながらもついに建物にたどり着くことが叶いました。
しかし「立入禁止」の看板と塀に阻まれて建物自体に触れることは叶わず。
と、ここで博多待ち合わせの時間を逆算してタイムリミットとなったので、潔く
引き返しました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
実は待ち合わせの主は福岡の人気SSブロガー<song4u>さんだったのです。
ソングさんおススメのステーキ店でお店自家製の赤ワイン漬けソルトを調味料と
してとても柔らかくて美味なお肉を召し上がったあとソングさんにナゾの構築物
を案内して頂けることになったのでワタシにとっては再チャレンジができて救
われる思いでした。
ただワタシはまだしも福岡ご在住のソングさんですらこの構築物は殆ど予備知識
なしとのことでしたので、博多駅バスターミナルから目的地近くの停留所までの
バス車内で付け焼刃的に学習した次第です。
そこで解ってきたことをかいつまんで説明すると
・石炭を採掘するために日本海軍が軍需工場として昭和16~18年にかけて建設
したもの
・建物内部には石炭や労働者の運搬用のかごを昇降させる巻上機が櫓上部に設置さ
れている
・わが国近代の鉄筋コンクリート構造物の中でも有数の高さを誇る高層構造物であり
近代建設技術史上非常に価値が高い文化財である(平成19年に近代化産業遺産に
認定されている)ということだそうです。
バスに揺られて30分あまり、再び迫力の構築物に出会えましたぁ。
午前中は建物の北東側しか見る余裕がなかったのですが、こちらはさきほど
回り込めなかった西側です。
そしてこれは裏(南)側。
バックにはぼた山が見えます。
石炭を産出するための設備であるがゆえ近くにぼた山が存在するのは当然の
ことなのですね。
午前に見学した場所と併せてちょうど1周することができました。
しかし金網からの見学なので至近距離ではありませんがとても80年ほど前に建てら
れたものとは思えずあたかも現役で使われているかの如く壁面の質感は良好です。
高さは8階建てと言われ地上50m近くにもなるということですから驚愕の一言です。
竪坑櫓の隣には柵で囲われた石炭の残骸らしきものが・・
そしてこちらは昭和13年に完成した坑口です。
異才な芸術家が生み出した渾身のアート作品のごとし。
坑口と竪坑櫓がセットで視界に入るスポット。
実にシュールな画、脇で可憐に咲き誇る桜とのミスマッチさがことさらにシュール
度合いを演出しています。
さてこの後はバス停から竪坑櫓へ向かう間に通り過ぎた「鉄道公園」へと見学場所を
移しました。
そこはワタシの琴線に触れる<鉄道遺構=廃線跡>だったのです。
いやはや全くノーケアーだったのですが、ソングさんはむしろこちらに着目されて
いたそうです。さすがお目が高い。
次回へ続く~とさせて戴きます。