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【2023RWC総括】決勝トーナメントをすべて1点差で頂点を極めた偉業 [スポーツ(ラグビー)]

2023ラグビーワールドカップが10月29日の決勝戦を以って幕を閉じました。

ウエブ・エリス・カップを手にしたのは12-11の1点差でオールブラックス(NZ)を制した

スプリングボクス(南ア)でした。

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(勝利が決まった瞬間CPコリシは終了前にシンビンを受け一人欠けさせてしまった責任感

から試合を直視することができずジャージを被ったまま下を向き続けていたコルビの元へ

真っ先に駆け寄って抱擁する感動を呼んだシーン)


過去の大会においても決勝戦は極めてドラマチックな展開が多々演じられてきましたが

今回はノックアウトトーナメントの3試合(準々決勝・準決勝・決勝)すべてで1点差勝ちと

いう、ドラマですらあまりにも現実離れしていて成り立たないような筋書きをやり遂げた

勝負強さに対して言葉が見つからないほど驚愕し、また感嘆してしまいました!

50日に渡って繰り広げられたワールドカップは開催直前までランキング1位のアイルラン

ドか開催国フランスの北半球2か国が優位と見られていましたが、蓋を開けてみればやは

り南半球の実力2か国による決勝戦でした。

しかし今回ワールドカップは予選プールでも劇的な試合が少なくなかったのですが、こと

決勝トーナメントはノーサイドまでどちらが勝利するか分からぬ手に汗握る好ゲームが目

白押し、特に準々決勝の4試合はすべてが非常に白熱したゲームでした。

そう言った中でも後で振り返ればまるで緻密な筋書きで仕組まれた『スプリングボクス(南

ア)劇場』とでも言えるかのごとくドラマチックな展開に終始したと言えます。

まず予選プールでのアイルランド戦では8-13敗戦。この時点では試合内容から明らかに

アイルランドの実力が一枚上であるように見受けられました。

スタンドオフ(10番)を任されたリボック選手はランスキルでは傑出しているもののプレース

キックが不調で外しまくっておりそれが敗因であったとも言えます。

その弱点を決勝トーナメントでどのように修正したのか・・

それは世界最強と言われるフッカー(2番)マルコム・マークスがケガで出場不能となった代

替としてなんとこちらはケガから復帰のハンドレ・ポラード(10番)をエントリーしたので

した。

専門職であるフッカーの交代要員にスタンドオフを充てる、という一見無鉄砲ぶりが決勝ト

ーナメントで見事すぎるほど術中にはまるわけです。

決勝戦でスプリングボクスはノートライの4ペナルテイキック12点をすべてポラードの右足

で刻んで積み上げたわけです。対してオールブラックスは2トライあげるも1本はTMO(テレ

ビマッチオフィシャル)での取消しが響き1トライ(ノーゴール)2ペナルテイゴールとなり南

アに1点及ばなかったわけですから。

また同じ1点差でも試合展開としては土俵際での見事なうっちゃりとなった準決勝の対イン

グランド戦の方が痺れました。

この試合は南ア以上に手堅いキック攻撃で進めるイングランドが残り10分強まで15-6

とラグビーでセーフテイリードとされる8点差以上をつけていたにも関わらず、ここから奇

襲とも言える自陣22m内でのフェアーキャッチ後にスクラムを選択したのです。

よほどスクラムにゆるぎない自信を持っていない限りありえない選択ですが、これが奏功し

てロングゲインを獲得、その後の攻撃でトライまで持って行き15-13の3点差まで詰め

寄り以後残り3分の時点でスクラムによる反則(ペナルテイ)を獲得、ほぼ正面と言えど50

m以上の距離をポラードは涼しい顔で決めて15-16と筋書き通りと言えるような展開で

逆転に持ち込んだのでした。

準々決勝ではフランスのトライ後のコンバージョンをチャージしたコルビ選手の活躍が特筆

ものでした。

草ラグビーレベルではまれに見られるプレーですが大舞台のワールドカップでこんなプレー

が見られるなんて世界中のウォッチャーが誰も想像すらしていなかったでしょう。

このチャージがなかりせば南アは1点差で敗北を喫していたわけですから。

それから特筆すべきはメンバリングのFWとBKの構成比です。

決勝戦では世間をあっと驚かすメンバリングで臨んできました。

それはリザーブ8人中FWの選手を7名、よってBKは1名のみという布陣。

もともと強力FWを武器としている南アゆえその特長を最大限活かすべくFW6人体制はしば

しば採られてきました。

このFW6人体制ですら他で実践したチームを殆どみることがありません。

ポジションの専門性やケガによる交替リスクを勘案して常識の範疇ではFW5人(うちスクラ

ム第1列で3人)BK3人となるわけですから・・・

でも実はこの奇襲とも言える布陣は予選プールのアイルランド戦でも試していたわけです。

そしてこの戦術を語るにはラグビーのルールの変遷について触れておかねばなりません。

ラグビーほどルールが目まぐるしく変化するスポーツは珍しいのではないかと思います。

第1回のワールドカップが開催されたのは今から36年前の1987年。

その頃はリザーブは今より1人少ない7名でかつ先発メンバーが試合途中でのケガにより

プレーの続行が不可能とレフリーが判断したときのみ2名まで交替ができるというルールで

した。

なので基本的には先発で出場した選手が80分間のノーサイドまでプレーをやり切るという

ことが当たり前とされていました。

ところが何年か前からリザーブを含めた23名で1試合をたたかう、つまり試合途中での

選手の入替は自由(ただし原則入れ替えられた選手は再出場は出来ない)というルールに

変更されたことにより、監督・コーチがより戦略的に選手を交替させる、ひいてはその交替

のタイミングが勝敗を大きく左右するように様変わりしたのです。

南アでは主力選手を温存させて後半になって一気にその主力選手たちを出場させる戦略が

結果的にはことごとく的中した、と見受けられます。

なおこの南ア独特の戦術は前回大会からすでに取り入れられていました。

4年前の日本大会では準々決勝で日本が南アと対戦した時すでに世界ナンバーワンフッカー

とうたわれていたマルコム・マークスは後半を少し経過してからの登場でした。

南アのようにフィジカルモンスター軍団のFWを擁したチームにはこういった戦術が有効で

あることを実証した形だと考えられます。

今後たとえばFWに自信を有したジョージアなどではこの南アの戦術が取り入れられるので

はないかと個人的には想像します。

また国内に目を向けリーグワンや大学・高校のチームなどでも模倣されると思われますね。


さて最後に今回の日本の戦績について独自意見を綴りたいと思います。

決勝トーナメント進出の目標には届きませんでしたがしり上がりで調子を上げてきたので

かなり健闘してくれた、というのが一般の評価です。

しかし私個人としては厳しい意見となってしまいますが結果に対して極めて不満足です。

それは選手個々というよりジョセフヘッドコーチを筆頭とした首脳陣と日々結果や各種の

情報を報道するマスコミの記事に対してです。

まず首脳陣においては今回選ばれた33名のスコッドに対する選定理由の不透明さとそれ

に対する明快な(納得できる)解説がなかったこと。それに各試合における先発メンバーや

それこそ戦略的な途中交替のタイミング等の戦略的ミスがかなり見受けられたように思わ

れます。

またマスコミの記事に関してですが、各記事とも横並び肯定的な意見を付したものばかり

でウンザリしました。

少しは批判的かつ真実をえぐるような骨太のすなわち首脳陣やある程度目の肥えたファン

を納得させてくれるような記事を各社の特徴において発信してくれてもしかるべきではな

いか、と思うわけです。

そんな記事を発信したら戦力強化が混迷してしまうリスクもあるかもしれませんがもちろ

んそういう意図では無くひとえにブレイブ・ブロッサム(ジャパンチームの愛称)強化のた

めに隠された事実をキチンとオープンにしてもらいたいというものです。

本当はジャパンがアルゼンチンに敗北した直後に怒りの記事をつづるつもりでしたが、(い

つものように)モタモタしているうちに決勝トーナメントが始まりどの試合も感動の連続だ

ったため気持ちも落ち着いてしまい、終わってしまったことをつらつら批判しても後味が悪

くなるとの思いに考えが変化したので一点だけ触れて締めたいと思います。

それは7月よりワールドカップを見据えてスタートしたテストマッチからワールドカップ本

戦の試合における特にFB(フルバック)の人選について。

最後まで迷走としか思えないような変遷を辿ったのではないか、と断言します。

2019のアイルランド戦、スコットランド戦はジャイアントキリングでした、それに対して

今回イングランド戦、アルゼンチン戦は2019のときのようなほぼノーミス&(チーム全員が

同じ絵を見る)ワンチームに徹すること、そしてラスト20分のフィットネスと集中力を発揮

していればジャイアントキリングと言われるほどでもなく間違いなく勝利したと確信してい

るからです。                                 以上                                                                                 


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【RWC2023フランス大会】ぶっちゃけトークのNHK中継に着目 [スポーツ(ラグビー)]

2023年9月8日(現地時間)ラグビーワールドカップ(以下RWCと表記します)が開催となり

ました。


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そして試合日程ですがジャパンにとって明日いよいよ最大ヤマ場のひとつであるイングラ

ンドとの対戦を迎えます。

『ブライトンの奇跡』『エコパの奇跡』に続いてイングランド戦開催地ニースにちなんで

『ニースの奇跡』を巻き起こすことに期待しますが旋風が吹かずワタシのモチベーション

が駄々下がる前にRWCネタを取り上げておきたいと思います。

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ここまでのジャパンを振り返ると7~8月に開催された代表戦で1勝5敗と振るわず、大き

な不安の中での開催となった2023フランス大会でしたが、初戦のVSチリ戦は42対12と

そんな不安を吹き飛ばす快勝でした。

いっぽう対戦相手イングランドも日本同様開催直前の戦績はたとえば8月単月で見ると1

勝3敗と振るわず、特にフィジーにはテストマッチ史上初敗北を喫しました。

それに加えてキャプテン兼キッカーの役割を担うエースのオーウェン・ファレル選手が

レッドカードを受け出場停止中という状態ゆえジャパンにとっては期待が持てる状況に

あるのではないかと言われています。

そんな絶不調と見られた中で迎えた同プール内最大の強豪ロスプーマスことアルゼンチ

ン代表戦。

直前の戦績ではオーストラリア代表に勝利、優勝候補の南アには惜敗と安定的な強さを

見せていただけにアルゼンチンの方がやや有利と見られていました。

しかしながら蓋を開けてみたらイングランドは開始3分後にFWの中核選手トム・カリー

がレッドカード処分を受けたため残りの77分を14人で闘わざるを得ない境遇に陥りなが

ら結果は27対10でイングランドが勝利となりました。

しかも驚くべきはその結果よりも内容です。

なんとイングランドの27点にトライは含まれておらずドロップゴール3本、ペナルティ

ゴール6本とすべてキックによる得点でした。1トライを挙げたアルゼンチンを得点で

3倍近く上回っての勝利です。

ラグビーのルールは毎年目まぐるしく変わりますがその目的のひとつは攻撃側にトライ

を取りやすくするような改定がなされる傾向にあると言われています。

これは観る側やプレーする側にとって「トライ」を挙げることが唯一無二の楽しみだか

らだと思います。

そんな昨今のラグビーの戦法・戦術に逆行するかのようなイングランドの勝ち方。

イングランドのラグビーは100年変わらない、と陰口を叩かれていますが、ラグビー

発祥の国の何としてでも勝利を求める矜持なのでしょう。

日本時間9月18日午前4時キックオフ。ワタシがテンションマックスの状態で記事がつづ

ることが出来るような結果になっていることを祈願します。(^^♪

        ◇        ◇        ◇        ◇

ところで2023RWCのテレビ中継は地上波ではNHKと日本テレビで衛星放送ではJスポー

ツで放映されていますが、知人からどの放送局で観戦するのがベストですか、と相談さ

れることがあります。

そんなときワタシとしては観る方のラグビー(観戦)経験値によりおススメする放送局を

選別して紹介しています。

ざっくり経験値が低い(いわゆるにわかとか初心者)の方に向けては日テレまたはNHKを

それなりにルール等を理解・把握されている方向けにはJスポーツですね。

先日、仲間のラグビーウォッチャーがNHKの解説が鬱陶しい、と愚痴っていたのでNHK

はラグビー初心者もたくさん視聴する機会があるので基本的な解説はNHKの使命として

とても重要、と解説したら痛く納得されました。

ちなみにワタシはJスポーツの解説者としてしばしば登場される沢木キヤノンヘッドコー

チの解説の大ファンでして、実況中に興奮すると解説者の域を完全に逸脱してヘッドコー

チ目線で解説する場面は特にツボです。

賛否両論ありますが選手を下の名前や愛称で呼んだりするのにも親しみを感じています。

いっぽうNHKの中継は録画をしており、あとで副音声の解説を聴くようにしています。

        □        □        □        □

(いつものように前置きが大変長くなりましたが)ここからが本題です。

NHKラグビー中継の副音声で「超ラグトーク」と称してあの五郎丸氏やそのほか現役の

プレーヤーやラグビーへの造詣が深い有名人などが観戦者目線でホンネ(に近い)トーク

を繰り広げていまして、実はこれが秀逸だと思うのです。

先週のジャパンvsチリ戦では五郎丸氏に元日本代表で現在医学生の福岡堅樹さん、現役

FWでお笑いトーク抜群の山本幸輝選手、そして有名人からは岡田准一さんなどが登場、

NHK女性アナの進行などほとんど関係なくフリートークを繰り広げておられました。

ラグビーが観るスポーツとして普及する妨げとなっているひとつにルールの複雑さがあ

げられています。

事実バックスの代表格福岡さんにスクラムでコラプシング(つぶれてしまうペナルティ)

となったときに詳しく解説を求められても恥ずかしそうに「よく解ら

ないんです」と受け応えるすることがあります。

そんな状況をたとえばスクラムの最前列で組んでいる山本選手がプレーヤーの観点から

明快に解説を加えてくれるのです。

山本氏のとても印象深いひと言。

選手としてプロップ代表を卒業した「トップレフリー」はひとりも居ない、とおっしゃっ

ていました。

本当かあるいはジョークの一環での発言か真偽は別としてことほど左様にコラプシング等

スクラムまわりのペナルティはナゾの判定が少なくないと感じます。

またワタシが非常に感心したトークの一場面

今や押しも押されもせぬ俳優としての実績を積み上げている岡田准一がスクラム第一列の

役割やテクニックを解説すると横で聞いていたプレーヤーとして頂点を上り詰めたものの

スクラムをまったく組んだことのない福岡氏が横でその発言を聞いていて「へえ~~、そ

うなんですが!そんなメカニズムはまったく知りませんでした」と岡田の解説を大絶賛さ

れていました。

現役スクラム最前列の山本選手もそれにうなずいておられた、というシーンは痛快でした。

ちなみに今ジャニーズ問題で揺れている中で岡田の起用に対して国営放送を批判する意見

も散見されますがワタシとしてはこんなに楽しませてくれるトークが聴けるので肯定的に

捉えたいものです。

 話は横道にそれますが、NHKでは『明鏡止水』なる格闘技や武術をひたすら取り上げて

実践を披露したり技術や歴史を解説したりする超マニアック不定期放映番組がありますが、

ワタシこれの大ファンです。

その番組のMCを担っているのが岡田准一なんです。

技術や歴史におよぶ知識も豊富ながらときに実践に立ち会ったりして見事なさばきです。

事実つい先ごろブラジリアン柔術大会に出場されて1勝を挙げたというニュースが舞い込

んで、改めて武道においても真の実力者であることを知らされたものです。

ちなみにラグビーは中学ラグビーがさかんな大阪の中学でスクラムハーフとして馴らした

競技実績を有しているそうです。


さてこんな記事を綴っている間にもほかの何試合かもテレビ中継されており、もうブログ

どころではありません。

では近日中にハイテンションで記事が書けることを祈りながらペンを置くこととします。



 



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【ラグビー】待望のトップリーグ開幕~TJ・ペレナラ極上のプレー炸裂! [スポーツ(ラグビー)]

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<今シーズンからNTTドコモに所属しプレーするTJ・ペレナラ選手>


2月20日(土)、待ちに待ったラグビートップリーグが漸くというかついに開幕

しました。

2019年ラグビーワールドカップが日本で開催され、日本代表チームが信じ難いほ

どの活躍で初の決勝トーナメント進出を果たした結果日本のみならず世界から驚嘆

と尊敬で注目を集めた夢のようなひとときの後に襲ってきたCOVID19。

非常に残念なことに昨年1年間は殆ど試合が封鎖されたため、2015年ワールド

カップの五郎丸フィーバーが瞬間的な盛り上がりの後人気がしぼんだことの二の

舞いかと危惧しましたがそうではなかった!

というのも世界のトッププレーヤーたちも日本のラグビーに注目し関心を高めた

結果各国から多くのトッププレーヤーたちが来日することとなったのです。


そして迎えた2月20日と21日、トップリーグ開幕全8試合で14人もの世界

屈指のトッププレーヤーがそれぞれの試合で期待通りのパフォーマンスを披露し

てくれました。

ワタシとしても全試合Jスポーツで中継されたので視聴しましたが、その中で最も

活躍した選手は誰だったか・・

日本の宿敵スコットランド代表キャプテンにしてルックスも際立っているNTTコム

所属のレイドローの活躍は期待通りで素晴らしかった。

またオーストラリア代表チームでやはりキャプテンを務めたマイケル・フーパーも

トヨタチームの一員として後半途中出場するや否や得意とするジャッカルを魅せて

くれこちらも期待通りの役割り。

そして現在進行形で世界一とうたわれるオールブラックス出身のボーデン・バレット

もサントリーで来日後の初先発を果たしプレーのひとつひとつが芸術的な境地のパフ

ォーマンスでした。

しかし当人がいなければ負けていた試合を勝利に結び付けたという目線であげる

とすれば文句なくオールブラックス出身のTJ・ペレナラだと考えます。

華やかな選手強化を展開し初優勝を目指すキヤノンに対しリーグ下位を低迷してきた

ドコモが2点差で勝利を収めた試合、以下ダイジェストします。

         

            NTTドコモ26VSキヤノン24


    時間   NTTドコモ        キヤノン

                             前半

   17分      3(PG)               0

   29分      3                    7(T&G)

   32分      6(PG)               7

   34分      6                    14(T&G)

                             後半

   19分     11(T)★            14

   22分     11                   17(PG)

   27分     18(T&G)☆        17

   32分     23(T)               17

   37分     23                   24(T&G)※

   41分     26(PG)◎          24

                           試合終了

注) PG=ペナルティゴール(3点)

     T&G=トライ(5点)とゴール(2点)


上の試合展開で★印はペレナラ自らのトライで☆印は敵陣ポイントからペレナラが

抜け出しラストパスを放ったものがトライとなるいわゆるペレナラのアシスト、

そして特筆すべきは◎印の逆転サヨナラPGです。

これはキヤノンが「ホールディング」という反則を犯した結果ドコモがPGを獲得し

たものですが、ワタシが観ていた限りペレナラが密集争奪戦の最中に猛烈にレフリー

へ主張した結果レフリーが圧倒されてつい笛を吹いてしまったように見受けられま

した苦笑

またペラナラ自らのトライやアシストにつながったプレーの基点は獲得したペナル

ティからペレナラが最も得意とするプレーである超クイックスタートによるピック

&ゴー(ペナルティキック地点からプレーヤーがちょん蹴りしてボールを持ち出す)

を仕掛けたものでした。

しばしばワールドカップの対戦でも魅せたおなじみのプレーです。

日本の田中フミ選手も得意としており実際今回の試合でも対抗するかの如くこの

プレーを繰り出していましたがペレナラの素早さの右に出る選手は世界中どこを

探してもいないものと思います。

このほかにもタッチキックを蹴りだす際に距離を稼ぐより相手のクイックスタート

を警戒して敢えてハイパントのようなキックを駆使してクイックスタートを阻止し

たり、キヤノン得意のスクラムで強烈なプレッシャーをドコモが受ける中反則を取

られるギリギリのところで屈強な相手FW選手と渡り合いボールを奪取してピンチ

を切り抜けるなど攻守にわたる大車輪の活躍が目まぐるしいシーソーゲームに花を

添えてくれました。

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<試合後ちびっこファンが「TJ」のカードを掲げて応援する姿に手を振って応えるTJ>


間違いなくペレナラが出場していなかったら実力で一枚も二枚も上と言われたキヤ

ノンの順当勝ちと言えたことでしょう。

    対するキヤノンは財界でも著名な御手洗さんがダイナミックな選手補強を行って

(私見です)きて、今シーズンから初見参となる田中フミ選手と田村優選手が組む百戦

錬磨の日本代表ハーフ団コンビやヘッドコーチには2015年ワールドカップで名将エデ

ィー・ジョーンズ氏をコーチングコーディネーターとして支え、またサントリーでは

ヘッドコーチ就任後低迷していた同チームを2度の優勝へと導くなど智将沢木敬介氏

を招いて悲願の初優勝目指して盤石の体制を敷いた初戦でした。

事実この試合でも田中フミ選手や田村優選手は期待通りの活躍を見せます。

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<試合開始前の選手入場 右が日本のエース的存在の田村選手(キヤノン)>


面白かったのは後半22分のPG。

このときキャノンはシンビンにより10分間退場となる選手が発生していたため数的

不利を克服するためキッカーの田村選手はキックを蹴ることは90秒以内までルール

上認めらていることを逆手に取ってあえてゆっくり時間を稼いでいました。

レフリーが田村選手の耳元で「あと30秒」と促す。しかし田村選手は静止したまま。

「あと10秒」。田村選手はまだ動かない。「5,4・・」と秒読みを唱えたときお

もむろにキックモーションに入り難なく決める。

田村選手、自信に満ち満ちた表情がアップで映し出される、たぶん心臓がけむくじゃら

なのでしょうね苦笑

また上の試合展開で※印を付した後半37分のシーン。キヤノン自陣22m付近、田村

選手がボールを持つ。

定石ならキックで前進か外側にサポートしている走り屋にパスする局面なのですが何と

自らランを選択してディフェンダーをステップで抜き去ったと思いきやあっという間に

50mほどゲインして味方フォロワーにつなぎ見事にトライのアシストを果たしました。

残り時間から逆算してこの得点が劇的逆転トライとなりキヤノンの順当勝利とワタシと

しては見ていたものだから堪りません。

両チームともディフェンスが素晴らしくしかしながら肉弾戦に頼らずオープンに散らす

アタックを展開するため観客をとても楽しませてくれます。

ラグビーの醍醐味である肉弾戦を否定するつもりは毛頭ありませんが、やはりオープン

ラグビーは華があり観るものは勿論プレーヤーにとっても非常に楽しいのでしょうね。

コロナ禍でストレス過多の昨今ですがこういう気持ちのいい試合が今後も続々と観られる

のかと考えるとわくわくします。

地上波放送で観られないのは残念ですが、みなさんもJスポーツに加入されてラグビー・

トップリーグを堪能されることをおススメします(なおワタシはJスポーツとはまったく

かかわっておりません(≧▽≦)


◇2月28日追記  オールブラックスで」「ハカ」をリードするTJ・ペレナラ



◇      同    ラグビーワールドカップ2019ベスト10トライ 第1位・・TJ・ペレナラ


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【ラグビーワールドカップ】9月25日釜石での試合観戦記録 [スポーツ(ラグビー)]

標題のとおり2ヶ月も前の事柄であり完全に賞味期限切れですが個人的な記録として

あえてここにアップすることをご了承ください。

(当初は直後にアップするつもりでいましたが、日本がアイルランドに勝利すると

 いう番狂わせをやってのけたために拙ブログでも予定を変更して奇跡の勝利を

 取り上げたことで本記事をタイムリーにアップする機会を逸してしまったという

 わけです。)



9月25日 釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム14:15キックオフ

フィジー27VSウルグアイ30



思えば4年前、津波の爪痕がまだまだ生々しく残っていた当地を訪れたことが切っ掛け

でした。

更地でしかないこの場所で4年後にラグビーワールドカップが行われるという考えられ

ないような事実を想像したら、是が非でもここで行われるワールドカップの試合をこの

目で見てみたいという気持ちが強く働き、開催の1年半前にはチケットを抑えることが

できたので、今回4年越しの夢が晴れて実現したものです。


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スタジアム下車駅の<鵜住居>駅からスタジアムへ向かう観衆。


ワタシにとってこの地は子どもたちにとってディズニーランドがファンタジー

ワールドであるのと同様にファンタジーラグビーランドに踏み入れたような

心持ちに浸ってしまいました。

見上げれば見事なまでの青空にちょこんと白い雲が浮かぶ。

バックには緑のこんもりとした森に囲まれた山々が壁となって建立。

そしてその手前に堂々と構えている施設がこの地の人々の震災からの復旧・復興

への希望を載せ、世界からやって来る観衆を迎い入れるピカピカのスタジアム。


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そんなおとぎの世界に踏み入れたような気分に酔いしれながらスタジアムに向か

って歩いていたら、昔はおとめだった天使がワタシに近づいてきて手作りのポケ

ットティッシュカバーをプレゼントしてくれました。(自宅に帰ってから撮影し

たものです)


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中を開けるとティッシュにこんなメッセージが挟まれおり、読みだして思わ

ず目頭が熱くなり字がかすんでしまったので手で拭って読み終えました。

それにしても唐草模様のティッシュカバーなんぞ世界でここでしか存在しない

貴重品でしょう、とても愛くるしい逸品です。


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ハイブリッド芝のグランド、このファンタスティックなグランドでこのあと

どんなフィジアン・マジックが展開されるのかとハイネケンビールを飲み

ながら期待に胸を膨らませていました。

と、隣でやはりビールを嗜むお方と言葉を交わしてみたらなんとワタシの

中学校後輩である人物の親友であることが判明し一気に盛り上がりましたね。


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開幕戦では曇天のため音だけしか楽しめなかったブルーインパルス飛行を

存分に堪能しました、これでもう思い残すことはない・・(いえいえ)


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両チーム選手入場。観客席も埋まってきました。この中には秋篠宮ご夫妻も

観戦されているはずです。


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キックオフ前の儀式、フィージーのチームによるウォークライ『シビ(Cibi)』

を披露。ウオークライはニュージーランドのハカがあまりにも有名ですが、

サモアやトンガでも伝統の儀式を有しています。

シビはハカに比べシンプルで分かりやすい中にも力強さがありこれはこれでまた

魅力的です。


さて試合の結果は冒頭記載の通りですが、ランキング19位のウルグアイがランキ

ング10位のフィジーを破るという(小さな)番狂わせを起こしたとてもスリリング

で感動的な内容でした。

そう、(小さな)と記したのはこの試合の3日後にジャパンが大きな番狂わせを

演じたので本試合のアップセットがかすんでしまったのです。

しかしこの時点ではラグビーファンタジーワールドで起きたファンタスティック

な試合展開と結果に存分に酔いしれたものです。


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さてさてここから先は鉄っちゃんの端くれでもあるワタシが久々の鉄ネタを少しだけ

織り交ぜた釜石までの道中記です、おつきあい頂けましたら幸いです。


岩手県の釜石市は東京から(に限らずですが)訪れるにはかなりアクセスが厳しい場所

に位置しています。

しかも小さな町に1万数千人が世界から訪れるということはハプニングやトラブルの発生

によりスタジアムへの入場が遅延する可能性が低くないだろうと考え、であれば前泊

して余裕を持って当日会場入りすることが安全なわけですが、宿泊施設は当然満杯で、

訪れる数日前に調べてみたら一泊5万円となっていましたw

小市民のワタシには手が出ない価格。

そこで一計を案じて夜行バスの状況を調べたところ案外たやすく予約ができたのです。

ということで前の晩に池袋から釜石を目指す高速バスに乗り込みました。

単身赴任時代によく利用した夜行バスですが今回利用の車両は座席独立型なのでゆった

りと座れることができたおかげで快適とまではいかずともそれなりに睡眠がとれ、気が

ついたら降車する岩手県・花巻でした。

え、釜石じゃないの、と突っ込んでください。ネット入力を誤って釜石の手前約100Km

の花巻駅で降りる羽目になってしまったのです。

訂正も可能でしたがJRのダイヤを調べると以前から乗りたい願望を強く抱いていた<釜

石線>がうまい具合に走っているではないですか。

ということでラグビーウォッチャー兼『乗り鉄』を自負するワタシとしては願ってもない

間違い犯したことを逆手にとって花巻駅発6:45釜石駅行きに乗り込みました。

車両の最後部の手前ボックスシートの一席をキープして車窓景観に見入って悦に浸りまし

たね。


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≪足ヶ瀬≫駅・・エスペラント語≪モントハセーヨ(峠)≫駅


釜石線は別名<銀河ドリームライン釜石線>とも呼ばれ宮沢賢治の出身地つながり

で<銀河鉄道>が愛称として親しまれているのです。

そして駅名看板には正式駅名のほかにご覧の通りエスペラント語による別名称が

各駅とも付されているのです。これは宮沢賢治がエスペラント語をこよなく愛した

ことによるものです。

こんなにもローカルな奥地なのにおしゃれ感が満載だなあとついつい感心しました。

駅名看板のデザインもとてもロマンチック。


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ここは≪陸中大橋駅≫から手前の<土倉トンネル>を眺めた景観です。

この≪上有住≫ー≪陸中大橋≫間は駅間距離が8.3kmと釜石線内で最長不倒距離を

誇る区間ですが期待した景観はほとんどがトンネルだったため拍子抜けでした。

wikiによると元々陸側の<釜石西線>と海側の<釜石東線>の2系統が運行してい

たものを昭和25年に難関エリアを克服して開通させ念願の<釜石線>に一本化した

そうです。

駅間距離の長い箇所には何かしらエピソードが存在するものなのですよね。

なのでワタシは駅間距離の長い箇所に乗車してひたすら車窓景観を眺めることを

こよなく愛しているのです。


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約2時間にわたる<釜石線>での旅を満喫した後こんどは釜石駅から三陸鉄道で

スタジアム下車駅である≪鵜住居(うのすまい)駅≫を目指します。

この区間の運賃は本来310円なのですが10円の集金が煩雑と判断したのか『釜石

ラグビー乗車券』と銘打ってラグビー試合の3日間のみ10円サービスの300円

で乗車できました、いわば記念切符です(降車駅で回収されてしまいましたがw)


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線路&枕木フェチ、単線にはじっくり眺めているとものの「わび・さび」に

浸れるところがたまらず好きなんです。


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トンネルに続くトンネル、北に向かって走っていますが進行右手を少し行けば

海岸沿いなのですよ、リアス式海岸の真骨頂。



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≪釜石駅≫と≪鵜住居駅≫にはさまれた≪両石駅≫、快速なので通過します。

まったくの無人駅。


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下車駅の≪鵜住居駅≫が見えてきました。

レールはさびさび、枕木は木材、でも現役です。ローカル線の風情満載。


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スタジアム下車駅、8年半前には壊滅的な被害を受けた地。

<フライキプロジェクト>の大漁旗がなびいています。

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鵜住居駅土産物店で食した海鮮丼。これはお世辞抜きでブリ旨でした。

場所柄地産地消なので新鮮で安い。これ¥800ですよ。

 

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以上にて3ヶ月半にわたりラグビーを取り上げて参りましたが、次回より

通常モードに戻して発信しようと思っております(いつになるかは確約

できませんがw)


最後の最後に「一生に一度だ」のキャッチフレーズで話題を振りまいた

ラグビーワールドカップ日本開催にこぎ着けたいきさつについて、よくご存

じでない方のために是非解説しておきたいと思います。


最初に日本開催を主張したのはイラクでの銃弾で殉職した奥克彦大使で、今

から20年近くも前のことです。

外務省で英国駐在の実績を有しかつオックスフォード大の試合にも出場した

経験を持っていた奥大使は早稲田大学ラグビー部OBでもありました(中途

退部されていますが)

同じ早大ラグビー部OBですがやはり中途退部されていた森喜朗元総理大臣と

日本開催について夢を語り合ったとされています。

当時と言えばその数年前に日本代表はオールブラックスに17-145という

屈辱的な敗戦を喫したことが物語っている通り開催国として立候補できるよう

な環境を備えているとは全く以て言えませんでした。

しかしそんなことはお構えなしにワールドカップがラグビー伝統国だけで開催

地を順番に巡らせている現状に風穴をあけようと東奔西走する中、2003年

11月29日悲劇が襲ったのでした。

その後奥大使の遺志を森元総理などが受け継いで精力的に誘致活動を行った結

果2009年に日本開催が決定したのです。

しかしこの(2007年の第6回まで開催)時点でも日本は過去のワールドカッ

プで1勝しかあげておらず、決勝トーナメントはおろかまずは勝利することが

先決のような実力のさ中での決定でしたし、しかも国内のラグビー人気は長期

凋落傾向にあったためラグビーウォッチャーの立場からしたら嬉しさよりも不安

や心配の方が何倍も大きかったですね。

それでもある程度期待された2011年では結局1勝もできなかったものの、

大きな転機はやはり4年前の南ア戦勝利でした。

その後国内ではスーパーラグビーへの参戦がやはり実力を大きく伸ばす要因に

なったと言えるでしょう。

こんなドラマチックな変遷を経て最高の結果をもたらしたラグビーワールドカップ

日本開催でしたが「一生に一度だ」のキャッチフレーズが良い意味で間違っていた

ということとなる日が早く訪れることを願ってやみません。







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【ラグビーワールドカップ】初の黒人キャプテン率いるスプリングボクスが優勝に輝く [スポーツ(ラグビー)]

11月2日(土)18:00- 決勝戦 於)横浜スタジアム  


南アフリカ32VSイングランド12


日本もといアジアで初開催となったラグビーワールドカップが終了しました。

エリス杯の栄冠を勝ち取ったチームはワタシを含めて大方の予想に反してスプリング

ボクスの愛称で親しまれている南アフリカでした。

「勝負は水物」と言われますが、ラグビーでは番狂わせが他のスポーツに比して少ない

とされています。

しかし今大会ではノックアウトトーナメントで番狂わせ(と表現したら勝利チームに

対して無礼ですが)が特に準決勝以降で続発しました。

まず準決勝第一試合ニュージーランド(NZ)VSイングランド。

NZは準々決勝で直近まで世界ランク1位だったアイルランドに対して完璧な試合運び

で勝ち上がってきたので大会3連覇に死角なしの呼び声が一層高くなったのです。

ところがそのNZが名将エディHC率いるイングランドに完膚なきまでに打ちのめされ
たのです。
イングランドは立ち上がり1分強で電光石火のごとくトライを奪い結局はそれを守り切っ
たのですが、それは何と言っても火の玉タックルの嵐をNZに浴びせ続け最後までNZ
らしさを封じ込めてしまったからにほかなりません。
無敵と言われたNZがあのような形で敗退するとは・・・・・
NZ国民の悲しみは大きくいち早く結果を知らせる地元新聞の一面は真っ黒に塗られた
ものでした。

そして迎えた決勝戦では準決でRWC20連勝中のNZを破ったイングランドですから、

このラグビー発祥の国がもう一方の準決を3点差という僅差で勝ち抜いた南アに勝利して

通算2度目のエリス杯を手に入れるだろうというのが大方の予想でした。

しかしふたをあけてみれば立ち上がりから南アの猛攻、特にイングランドに不運だった

のはスクラムの核をなす右プロップの選手が開始3分で味方の選手との接触で脳震盪を

起こし退場。

交替で出場した選手は心と体の準備が不十分だったのかその後のスクラムでことごとく

押された上に反則を犯したためチームとして調子を崩していったのでした。

それでも前半30分過ぎにイングランドが敵ゴール前で縦へ横への猛攻撃を仕掛けたので

すが約4分間に渡り猛攻を上回る南アの猛守備がゴールを割ることを阻止したのでした。

鬼気迫る攻防の結果イングランドがトライを奪えなかった状況を見届けていてこの試合は

南アに軍配が上がるだろうと直感が働いたものです。

案の定後半は両ウイングの華麗なトライにより前半の緊迫した試合展開からは思いも寄ら

ぬ大差で南アの勝利となりました。

特にワタシがこの大会でぞっこんとなってしまったコルビ選手の個人技を活かしたトライ

は美しかった。

南アとしては通算3回目のエリス杯を手にしたわけですが、それよりも重大なことは永年

アパルトヘイト政策を行ってきたこの国で初の黒人であるシヤ・コリシ選手がキャプテン

を務めたチームが頂点に立ったという結果です。

南アはワールドカップ第1回と2回には参加が叶っておりません、なぜなら当時(1994

年まで)は人種隔離政策を行っていたからです。

かの有名なネルソン・マンデラが大統領となり融和政策がなされたことにより1995年

の第3回ワールドカップが南アで開催されることとなりそこで初出場初優勝という劇的な

結果を迎えることとなったのでした。

ちなみにこのとき15人の優勝メンバーのうち唯一人黒人選手が在籍し活躍したのですが

その選手チェスターウイリアムズは図らずも本大会が始まる直前の9月6日に49歳の若さ

で急逝してしまったのでした。

彼が存命でしたらどんなにこの結果を喜ばれたことかと悔やまれます。


ということで月並みな表現ですが決勝戦に相応しいとても中身の濃い見ごたえのある試合

で約1か月半にわたり繰り広げられた大会は閉幕となったのです。


ああ~~ワールドカップロスとなり放心状態です・・・


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最後に、ラグビー界のレジェンド・リッチーマコウがエリス杯をワールドカップスポン

サー企業であるローバー社の名車レンジローバーに乗って表彰台に届けてゆくショット

で2019年ラグビーワールドカップINジャパンを締め括らせていただきます。

(ちなみに車を運転しているのあジャパンのキャプテンリーチマイケルでした!(^^)!)







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【ラグビーワールドカップ】桜散る、快進撃に終止符 [スポーツ(ラグビー)]

10月20日(日)ラグビーワールドカップ準々決勝 於)東京スタジアム


日本3vs南アフリカ26


ここまで快進撃を続けてきたジャパンですが遂に刀折れ矢尽きました。

南アはやはり南アであり向かうステージの違いを特にこの試合後半20分

以降いやというほど見せつけられました。

予選プール最終のスコットランド戦後半20分以降のときもわがジャパンは

防戦一方となりながらもワンチームのディフェンスで持ちこたえましたが世界

ナンバーワンクラスのモンスターパワー軍団の破壊力に今回は残念ながらはね

返す力がこれっぽちも残っていなかった。


日本を仕留めた南アには次のウェールズ戦にも勝利して決勝で孤高の全黒軍団

と対決し是非とも3連覇を阻止してもらいたい。


 さてこの試合、ナマで観戦することができたので僭越ながらへなちょこ写真を

添えてちょっとだけ現地レポを・・


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スタジアム入口でのひとだかり、みなさん手に持っているペーパーで南アの

国歌を練習しているところです。

元日本代表の廣瀬俊朗さん(ドラマ;ノーサイドゲーム準主役)が提案・

推奨している参加国の国家を歌おうプロジェクト<スクラムユニゾン>がこ

んなところで見られました!

(ちなみにこれが海外のマスコミで「日本ファンのおもてなし文化」として

 の感動的な対応という記事が拡散されているそうですね)


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今日10月20日はミスター・ラグビーこと平尾誠二氏の命日です。


あの人に護られているジャパン、きっと勝たせてくれることでしょう・・

(と試合前にはこの遺影を見てそう思った)



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南アフリカ国旗カラー・デザインをまとった衣装や鉢巻き(?)

ワールドカップならではの華やかさです。


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さてスタジアム内では少年少女たちが和太鼓を豪快に叩きながらそれぞれの

国名を熱く連呼して「南アフリカ」と「日本」を応援してくれました。

和太鼓の鼓動は迫力とリズム感の融合が何とも言えず海外の目や耳にも

大好評。


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両チーム選手の入場、迫力の炎、入場者も4万8千人で超満員です。


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ノーサイド後のお辞儀、国内の試合では当たり前に行われていたこの行為、

海外では相手へのリスペクトの象徴たる日本文化として驚きを以って紹介

されブームを巻き起こしました。

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さて個人的にはこの後の準決勝2試合と決勝の計3試合をスタジアムで見届

ける予定でして「一生に一度だ」を悔いなく満喫したいと思っております。

が、ワールドラグビーがここまでの日本初開催での大成功に驚きと賞賛の

メッセージを日本ラグビーに送っておりそれを受けて現日本ラグビー協会長

の森重隆氏も「20年後くらいにまたやれれば・・」と発言されたようです。

20年後に開催ならワタシももう一度日本で見られるかも知れない、と指折

り数えて、ならば健康で過ごさねばと思い直すのでありました。



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【ラグビーワールドカップ】紙一重の状況下で開催された勇敢なる戦士たちの一戦 [スポーツ(ラグビー)]

10月12日(土)この日は日本列島を空前絶後の台風が襲い、東日本エリアに

甚大な被害をもたらしました。

折しもラグビーワールドカップ(以下RWCと表記)プール戦の日程が佳境を迎えて

いたため、同日に予定されていた2試合(ニュージーランドVSイタリア 豊田スタジ

アム、イングランドVSフランス 横浜スタジアム)の中止が余儀なくされてしまった

のです。

そしてその時点(12日)で最も心配されていたのが世紀の大一番となってしまった

13日(日)19:45横浜スタジアムでキックオフとなる日本VSスコットランド戦の

行方です。

なぜ世紀の大一番となったかは、言わずもがな日本が第2戦で大番狂わせを起こ

して優勝候補のアイルランドに勝利したためこの一戦の勝者が決勝トーナメント

へ進出することになったからです。

もしも中止の判断が下されれば大会ルールにより引き分け扱いとなりスコットラ

ンドは予選敗退が決定。

過去決勝トーナメントを逃したのは1度だけという伝統国としてはノーゲームで

ノックアウトトーナメントへの進出が阻まれるなぞ絶対にあってはならぬ、とい

うプライドの塊りとなった主張を行ったものです。

スコットランドラグビー協会はRWC運営委員会が中止を下した場合は提訴する

とまで訴えて騒ぎ立てたのです。(他国は冷ややかだったようですが・・)

また台風を身を持って経験したことのない欧州に住む人々は日本人が是が非でも

決勝トーナメントに進出したいからこそ安易に中止の決定を下す、と考えている

との発想を持ったようです。

そんな状況下、10月13日午前10時45分に予定通り開催することが発表され

ました。

そして結果はみなさんご存じのとおり


日本28VSスコットランド21

で勝利を収め悲願の決勝トーナメント進出を実力で手に入れたのです。

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自称筋金入りラグビーウォッチャーとしてはこの結果に仲間たちと大泣きしたのは

もちろんですが、何よりもラグビー人気が再燃しにわかでもいいのでとにかくラグ

ビーファンが急増したことにもとてもとても感激して喜んでおります。

テレビの視聴率もうなぎ登りで前試合のサモア戦の瞬間視聴率が46.3%で今年放映

されたスポーツ番組で最高だったとか・・

なので今回のスコットランド戦はおそらく50%超えは間違いないと踏みます

なんせ昼間放映のワイドショーでラグビーではけっこうマニアックな「ジャッカル」

という技術について解説しているくらいですからね。

ということで試合内容についてはテレビやマスコミで取り上げまくっているのでここ

では細かく触れず、試合開催に至ったエピソードにフォーカスしたいと思います。


まず試合前セレモニーでの風変わりな出来事と試合開催までの裏事情について英国の

<The Gardian>という大手新聞記者の記事について紹介します。


この試合においては過去に例を見ない「黙とう」から始まった。

それは台風が(開催決定の)つい数時間前に過ぎ去ったばかりで被害者の数がいまだ

確定していない(明け方に4名とされていたのが開催決定時9名へ、試合開始時は

24名、ハーフタイムに26名、試合終了後に28名と克明に記載)状況でなぜスポ

ーツをするのか、また見るのか、と。

最終的に決断を下した日本人の組織委員会はホスト国としてのプライドもあっただろ

うが「世界に向けて、自分たちはできると言うことを証明したい」という理由である

と主張した。

横浜スタジアムの被害が甚大にならなかったのは近くを流れる鶴見川に対する災害対

策設備が優れていたことや組織委員たちが前泊し徹夜で開催にこぎつけるため必死と

なって更衣室の水を吸い出したり政府や地方自治体と協力し水道局などと連絡を取る

などして最大限の努力を行った。


これは英国の新聞記事を日本人の方が独自に和訳してツイッターで流したものを抜粋

したものです。

後半の内容は割愛しましたが前述のスコットランドラグビー協会の主張をたしなめて

いるものや日本人(観客)の「おもてなし精神」に驚愕したことが触れられております。


私は今回の特別な環境下で開催された試合についてこの様な切り口で取材された記事

残念ながら日本の新聞ではお目にかかれておりません。


ラグビーのルールブック(=競技規則)は細かいルールの説明の前に「ラグビー憲章」

という項目が設けられていて、そこに<品位・情熱・結束・規律・尊重>が謳われて

います。

スポーツのゲームとしての決めごとの前に人としてのマナーというか心構えを問うて

いるのです。


上記英国記者の記事には日本人に対する<尊重=RISPECT>の匂いがプンプンと感じ

られとても心地よい思いに浸されました。

きっと自身もラグビープレーヤーだったのだろうな・・・と勝手に想像してしまう。


今回の日本チームは海外の記者から驚くほど好意的に取り上げられていまして、ペナル

ティにつながる反則の少なさ、ましては危険な行為の退場者(イエローまたはレッドカ

ード)が皆無である<規律=DISCIPLINE>やワンチームを標榜してきた<結束=SOLID

ARITY>に優れていることが絶賛されています。

なのに国内大手のA新聞は確か2戦目の勝利のときか「多国籍軍奮闘」なる見出しを

載せて怒る気すら失せて情けなくなりました・・


さて今週末からは日本にとって未知の世界、決勝トーナメントが始まります。

RWC開催前に彼らは口をそろえて目標はベスト8と言ってきましたが、志の高いわが

ブレイブブロッサムは当然ここで終わるはずがありません。

アイルランドを破ったときNHKの豊原アナウンサー(南ア戦でも実況中継を行った人物)

は「もう奇跡とは呼ばせません」との名文句を発しましたが、今週末南アを破ったと

しても世界は奇跡とは見ないほど認められるようになってきました。

楽しみな日々は続きます。




*日本メディアでのThe Gardian同様横浜スタジアム防災設備に触れた記事をリンク 10月16日9:00



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【ラグビーワールドカップ】サモアに快勝し初の決勝トーナメント進出に前進 [スポーツ(ラグビー)]

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<決勝トライを決めた松島幸太朗選手>

10月5日(土)19:30 愛知・豊田スタジアム


日本 38 VS サモア 19


やりました!日本国民の期待が大きく膨らむからこそ重くのしかかったプレッ

シャーの中での試合でしたが、過去4勝11敗のフィジカルモンスターを相手に

見事ダブルスコアでしかも劇的に4トライを達成、しっかりとボーナスポイント

も獲得したので決勝トーナメント進出のためにはこれ以上ない形でプール最終の

スコットランド戦を迎えることとなりました。


今回の試合展開でも初戦のロシア戦とは違い出足が好調でした。

ここで4年前のワールドカップでの対サモア戦の試合経過が思い起こされます。

あのときもはじめから好調で当時は実力が上とされていたサモアの方が日本のディ

シプリン(規律)をきっちりと遵守する試合運びにイライラして反則を繰り返し、

やがて自滅して行った・・

今回もそんな試合展開を期待しながら観戦していたのですが今日のサモアは違って

いて集中力が切れない・・どころか後半30分過ぎにトライを決め26-19と7点

差に詰め寄られてしまったのです。

このとき消極的な思考がフとアタマをよぎってきた。

残りの時間でさらに1トライを失いゴールも決められ同点で試合終了・・・

でもそれは全くの杞憂でした。

その3分後に日本は前試合に続いてまたも途中出場の福岡選手が突き放しのトライを

奪い31-19とする。

残り3分で12点差なのでセイフティリードと言えますが、ここまで来たらあと

1トライを獲ってボーナスポイントを獲得したいところです。

すると残り時間1分のとき敵陣45m地点でぺナルテイを獲得と願ってもない

チャンス到来、当然タッチキックを選択してラインアウトからモールを形成し

レメキ選手以外全員参加で押し込む・・

が、ゴール前1mでモールパイルアップとなりサモアボールのスクラムとなる。

(ここで時間は80分を経過しドラが鳴ったのでプレーが途切れたらノーサイド。)

ところがそのスクラムを焦った日本がアーリープッシュの反則を犯してしまいサモ

アのフリーキックとなる。

万事休すかと思いきや、(自らキックを蹴り出し試合を切った)アイルランドと

は違い意地を見せてサモアはタッチキックではなくスクラムを選択してきました。

1トライを獲り返し7点差となればボーナスポイントを奪えると判断したので

しょう。

のぞみをつないだ日本、相手ボールスクラムを低くて8人がまとまった美しい

姿勢で迫力を持って組んだところたまらずサモアがノットストレートの反則を

犯して今度は日本のフリーキックとなる。

このスクラムで怒涛のプッシュをかけるとゴール前まで後退したサモアはコラプ

シングを犯してジャパンがペナルティを獲得。

もちろんジャパンはここでもスクラムを選択し、そのスクラムで押し切れないと

見るや姫野選手が突っ込んでそこから出たボールを田中選手が判断よくブライン

ドサイドにポジショニングしていた切り札松島選手へつなぎ値千金のトライを

獲得したのでした。

因みにこのとき時計の針は85分を指していました。

いやあこのようにこのボーナスポイント獲得となるトライの展開も前試合の大金星

に勝るとも劣らぬほどドラマチックでした。


さて今回はリーチ・マイケル選手は先発でしたがゲームキャプテンは前回に続き

ピーター・ラブスカフ二(愛称ラピー)が担いました。

ラピー選手は今年のパシフィックネイションズマッチから日本代表初キャップを

獲得した新顔ですが南ア出身でキャリアは申し分なし、キャプテンシーに長けた

人格者なのでジェイミーHC の方針でリーチ選手の重荷を減らそうとしてゲーム

キャプテンをラピー選手に委ねたそうです。

そこでリーチ選手はひとつひとつのプレーにより集中することができ、パフォー

マンスもあがったのではないかと思います。


リーチ選手の次戦(スコットランド)にかける意気込みが新聞記事に載っていま

した。とても頼もしい一言です。「個人的にはスコットランドをボコってやる!」

4年前に本人が一番悔しい思いをしたのでしょう。

スコットランドは自チームが中3日で日本と戦わねばならないのに日本は中7日

もあるというスケジュールが不公平だ、と主張しているようです。

4年前は立場が全く逆でした。すなわち日本が世界一のヘビー級南アを倒して中

3日でスコットランドと戦わなければならなかったのに対してほぼ地元のスコット

ランドは初戦でした。

器が小さいと言われてしまいますが「アンタにそんなこと言われる筋合いはない」

と言ってやりたくなりますw


対サモア戦の勝利は日本が決勝トーナメントへ進出するために大変有利となりました

が、それでももつれているAグループはまだこの先どうなるか分かりません。

自力で進出するためには次戦で2ポイント以上を獲得する、つまり引き分け以上か

負けても7点差以内かつ4トライ以上ということです。

でももうここまできたらすっきりと分かりやすく1点差でもいいから勝利してもらい

たいものです。



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【ラグビーワールドカップ】世界2位アイルランドに勝利の大金星~でももう奇跡とは呼ばせない [スポーツ(ラグビー)]

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9月28日(土)静岡・エコパスタジアム 16:15KO


日本 19 VS アイルランド 12


衝撃の結果でした。

相手は世界ランキング2位(つい先週までは同1位)のアイルランドです。

4年前に南アフリカを破ったとき相手のランキングは世界3位でしたのでそれを

上回るジャイアントキリングを達成したことになります。

今回のニュースも日本はもとより前回に続きまたも世界を震撼させました。

敵国アイルランドでは「勇ましい日本による驚くべき番狂わせ」と報じ、ラグビー

が最も盛んな南半球の国々ニュージーランドやオーストラリアでは、前回の南ア戦

を引き合いに出し「奇跡には続きがあった」と表現。

あるいは前回南アを下した時はイングランドのブライトンで行われたため「ブライ

トンの奇跡」と世界で呼ばれていることにかけて「静岡ショック」という新たな

呼び方を産み出しています。


私自身、アイルランドVSスコットランドの試合を観て、まったくスキのないアイル

ランドの戦いぶりを見せつけられたので今回の試合ではダブルスコア程度の敗戦に

なるだろう、と推測しておりました。

それでも4トライ(ボーナスポイント)未満に抑えることができたら上出来だろう、と

思っていたほどなので、今回仲間たちとワイドスクリーン画面で見入っておりました

が最後はもう涙が止まりませんでした。

日本代表チームにごめんなさいです。あなたたちの実力を信じることができず最後

までこんな結果になるとは思ってもみませんでした。


試合前にジェイミージョセフヘッドコーチが選手たちに5行の俳句を英語で詠み上げ

たそうです。「誰も勝つと思ってない、誰も接戦になると思ってない、誰も僕らが犠牲

にしてきたものは分からない、信じているのは僕たちだけ」

英語の俳句って5-7-5なのかどうなのかはさておき、素晴らしいマネジメントに感

心しました。

前ヘッドコーチのエディさんは「ジャパン・ウェイ」(日本(独自)の勝ち方)を標榜して

いましたが、その有名となったセンテンスの前に「サムライ・アイズ」「ニンジャ・ボ

ディ」が実は存在するのです。鉄腕アトムをこよなく愛した彼は当時のジャパンチーム

に鉄腕アトムをだぶらせて「日本(ラグビー)を救う」とチームを鼓舞してゆきました。

うまく日本の文化を多国籍からなる日本代表チームに落とし込んだと思います。

ジェイミーも同様にして日本の文化をうまく取り入れやはり日本をワンチームにまとめ

あげ日本代表の矜持を持って試合へ臨むよう託したのでしょう。

メンバー発表のとき選手へ日本刀を渡した、という話も耳にしました。


さて試合展開についてはすでにご存じのことでしょうから細かくは触れませんが、何よ

りも分岐点となったのは前半30分過ぎの負傷退場となったナキ選手との交替でリーチ

・マイケル選手が登場したことでしょう。

あとで振り返れば如実に確認できますがそれまでのボールポゼッション(支配率)で圧倒
的にアイルランドが上回っていたのがこの時をさかいに完全に逆転しました。
というのもリーチ選手の攻守にわたる献身的なプレーが、ポゼッションをも変えてしま
ったのではないかと思えるほどいつもにも増して鬼気迫るものを感じさせ、何か神がか
っていました。

なぜ、リーチが先発しないのかは、試合の途中でインパクトプレーヤー投入という一種

の戦略かと考えていたら、ジェイミーHCが初戦(ロシア戦)でパフォーマンスの低かった

リーチをあえて先発から外した、と新聞記事で知り驚きました。

出来が悪くともラグビーのゲームにおける主将というのは精神的支柱なのでその大黒柱

が先発しないリスクの方が大きいのではないかと素人的には考えてしまうからです。

でも上述の通りこの交替が大正解で、結果ここから先アイルランドは無得点であったの

に対し日本はこの時点でまだぺナルティゴール1本の3点でしたがここから反撃ののろ

しがあがり大逆転劇へと通じたのです。


そして何といっても圧巻は後半途中出場数分後に見せた福岡選手の逆転トライ。


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彼は今月初旬の南ア戦で負傷退場以降ワールドカップ初戦のロシア戦にも欠場、本アイ

ルランド戦も当初欠場の予定でしたが先発予定だったトゥポウ選手がケガで当日朝急きょ

欠場となったためリザーブにエントリーされ、さらに試合後半にケガのため退場した山中

選手との交替メンバーとして晴れて登場したのでした。

ラファエレ選手のクイックパスから完全ノーマークとなり典型的な日本のコネクト(つな

ぎ)プレーのフィニッシャーとして花を飾ってくれました。


さて次戦は10月5日(土)のサモア戦。世界ランク15位と統計的には日本より格下

ですがフィジカルや個々の運動能力に秀でており決して侮れない相手です。

しかし今の日本代表ならスキが見当たらないので多分順当な結果であることを予想しま

すが厳粛な気持ちで見守ってゆきたいです。

そして2週間後にはスコットランドとの最終戦。

願わくば予選プールを全勝通過しその勢いを持ってすれば五郎丸氏が常に訴える「優勝」

もまんざらではなくなってくるのではないかと思います。

いずれにせよこれからますます目が離せないワールドカップ、楽しみは続きます。






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【ラグビーワールドカップ】ブレイブブロッサム初戦勝利かつ勝ち点5を獲得! [スポーツ(ラグビー)]

いよいよ始まりました!ラグビーワールドカップ 開幕試合 日本VSロシア

9月20日19:45キックオフ 調布:東京スタジアム

結果  日本30対10ロシア


やりました!初戦勝利、しかも4トライを挙げてボーナスポイント1もゲット。

立ち上がりでミスが続発し先制トライを献上するという最悪のスタート。

その後もしばらくは各選手とも緊張が解けないのかノッコンなどの細かいミスを繰り

返しどうなることかと思いハラハラして観戦していましたが、前半もかなり過ぎた

あたりからようやく落ち着きを取り戻し前半終了間際での松島選手のトライで逆転。

それでも後半の中盤まではまだセイフティリードとは言えず息を止めての応援が

続きました。

後半24分、ロシアの反則により日本はペナルティの権利を獲得。

このときそれまでのトライ数は3、点差は20-10で日本が10点リード。

ワタシはボーナスポイント獲得のためにトライを獲りに行くべくタッチキック

を選択するか、と思いましたが手堅くショットで行きました。

やはりボーナスポイントを狙うよりも確実な点差をつけることを優先させたよう

です。

もちろんほぼ中央からのプレースキックなのでキッカーの田村選手が容易くきめて

くれました。

そしてその5分後にアンストラクチャーからの攻撃で途中出場松田選手のナイスラン

からフィニッシャーで本日絶好調松島選手へとつなぎボーナスポイントとなる今日

4つめのトライを積み重ねることが出来ました。

しかも松島選手にとってはこの試合3トライめとなりハットトリック達成です。


ということで終わり良ければ総て良しで5ポイントゲットでの勝利はとても幸先の

よいスタートとなりました。

これで次のアイルランド戦では失うものは何もないチャレンジャー精神でぶつかって

いけるものと期待されます。

願わくばエースの福岡選手とマフィ選手が万全の体調で復帰されることを祈ります。

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さてここからはスタジアムでの観戦記とさせて戴きますのでよろしければお付き合い

ください。

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この日は東京駅14:45発のツアーバスで仲間たちと東京スタジアムへ

向かいました。

スタジアム近辺で渋滞に巻き込まれたけどそれでも会場にはキックオフ3時間

半前には到着。

けれどもご覧の通りジャパンのジャージをまとったサポーターたちですでに

ごった返しておりました。すごい盛り上がりようですよ。


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ブルーインパルス飛行、これが見たかったのですが、あいにく厚い雲に

覆われていたので飛行機雲しか確認できませんでした涙


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夜のとばりが下りたころスタジアムの灯りがともり、グランドには白い

じゅうたんが敷かれました。開会セレモニーのスタートです。

さてこの後どのような展開になるのだろう・・


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和太鼓をBGMに赤と黒の衣装をまとった子どもたちが阿波踊りのような

日本の伝統芸能を象徴した乱舞を披露。

その後は写真に収めなかったのですが歌舞伎の舞いと続きました。


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日本と言えばやっぱりこれでしょ、Mt.Fuji


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開会式セミフィナーレ、Mt.Fujiを囲んで出場国サポーターが集まり

映像ではRWC第1回の1987年から前回2015年が映し出されて

おりました。


そしてこの後、ラグビー界のレジェンドにしてオールブラックスの前

キャプテン/リッチーマコウ氏がウエブエリスカップ返還のための登場に

会場のボルテージは最高潮に達しました。

11月2日にこのカップを手にするチームはいったいどこなのでしょう。

NZが史上初の3連覇を達成するか、それとも世界ランク1位のアイル

ランドか、はたまたシックスズネイションズ優勝のウエールズか・・・


これから約1か月半はラグビーウォッチャーにとっては夢のような日々が

続きます。

しかしそうではない今までラグビーにあまり関心がなかった方、または4

年前のワールドカップで南アに奇跡の勝利を収めた後の五郎丸ブームで一瞬

ラグビーファンになったもののその後遠ざかってしまった方もぜひぜひこの

機会に試合をじっくり観戦してほしいものです。



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