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1964 前の東京オリンピックのころを回想してみた<泉麻人>新刊本 [本]

NHK大河ドラマ『いだてん』は1964東京オリンピックを迎えたストーリーにて最

終回となり先達て幕を閉じました。

その最終回はドキュメントの映像も含まれており、当時5歳児だったワタシの記憶の

片隅に残っているシーンがたびたび登場したので、とても懐かしさを感じて見入って

しまいました。

そして来年はいよいよ56年ぶりに東京でオリンピックが開催されます。

11月2日にラグビーワールドカップが終了しましたが、ワンチームとして大活躍

した日本がオリンピックで再び好成績を収められるかこれからますます注目度が

増してゆくことでしょう。

そんな中、サブカルチャーに造詣の深いコラムニスト・泉麻人氏がワールドカップ

終了直後かつ『いだてん』の最終回が放映される前であり、そして翌年が東京オリン

ピック開催という絶妙のタイミングとなる12月5日に新刊本≪1964 前の東京

オリンピックのころを回想してみた≫を発刊しました。


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≪著者:泉 麻人   発行所:株式会社  三賢社≫


さらには発刊に際して氏の講演会が高田馬場・芳林堂書店にて行われるという情報

を入手したのでもちろん参加してきました。


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講演はご覧のようにパネルでお宝写真を紹介されながら本のメインテーマである
1964年前後の大衆文化について解説を繰り広げる、と言う内容です。
氏が1956年生ゆえ東京オリンピック開催時は小学2年生というわけですが、
相変わらずよくもそこまでこまごましたことを覚えておられるなあ、とつくづく
感心しましたね、しかも小学2年でありながらその観察眼はすでにサブカルに長けて
いたという点が驚異的だと思うのです。
いくつか紹介すると、
たとえば<アメリカシロヒトリ>という蛾の流行について(P156~)
最近あまり耳にしなくなった<アメリカシロヒトリ>ですが、あのころ桜の木に寄生
する害虫ということでかなり衝撃的に話題とされていたので未就学の幼児だったワタ
シですら認識しておりました。
オリンピックのために海外から訪れる観光客対策なのでしょうかね、東京の街中で
害虫駆除のためリヤカーのような車両に薬品を散布する機械を積んで公園など樹木が
生えている場所を作業員が巡り、甲高いモーター音をうならせながら白い煙を噴き出
して薬をまき散らす光景がついこの間の出来事のように思い起こされたのです。
平成生まれのボクやアタシには都心でそんな作業をしていたとは想像すら及ばない
ことでしょうねえ。
実は泉氏が当時住まわれていた家が新宿区でありワタシの実家の至近距離なのです。
ですから氏が本の中で説明している描写がそのままワタシの脳裏に映像として復活
したようなものでした。
ガキの頃から放浪癖があったワタシはその散布車がどこへ向かうのだろうかと好奇心
の固まりとなってくっついて行った記憶が鮮明に残っているもので。
   それから「放射能の雨にあたると頭がハゲる」という噂(P213~)
記憶が蘇りました、道路に油がしみ込んで部分的に不気味に青く輝いてる水たまりを
発見して「あ、放射能の雨だ!」と大騒ぎしたものです。
しかしこれ、ワタシ自身の年表だと小学校1年のころだったかと記憶しているので
泉氏から遅れること2年ですね。
ちなみにその根拠が東京オリンピック開催中の中国における核実験から来ていたのだ、
とは本書で初めて知り非常に感慨深いものがあります。
また、この言い伝えは東京の新宿区地域だけなのかそれとも関東エリア、もしくは
全国的に語られていたものなのか俄然興味が湧いてきたのでそのあたりの状況をぜひ
とも調査したくなりました。(全国のブロガーのみなさん、情報をお寄せください)
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さて泉氏が広げているのは五輪のマークと日の丸を象った風呂敷。
当時通われていた『落合第一小学校』体育館の倉庫の隅に仕舞われていたもの
をオリンピック何年後かの大掃除で発見されたときに譲り受けたとか・・
物持ちの良さには舌を巻いてしまいました。
講演後には(恒例の)サイン会を設けてくださいましたので講演直前に購入した
新刊本にサインを戴いたのは言うまでもありません、ミーハーですからw
ついでに前回購入の<僕とニュー・ミュージックの時代>も持参してたのでそちら
にもサインをおねだりしたら快く応じてくれました。ありがとうございました。
  それにしても街の本屋さんが激減する中、芳林堂はこういった著者の講演を
積極的に企画・実演されいてる取組には実に感心します。
僭越にもㇷと閃いたのですがワタシが今春やはりここ芳林堂ホールでの講演に
参加したマニアック作家<本橋信宏>氏とサブカルチャーを題材とした同学年
早慶(お二方とも1956年生れで本橋氏の出身がワセダ、泉氏がKOです)対決
をここ芳林堂ホールで実演していただけないか、などと妄想を抱いております。
さらに閃いたのが彼らの一学年下ですがやはり地元高田馬場出身で東大卒のサブ
カルチャニスト・森永卓郎氏にジャッジを仰いでもらうという企画、
いかがでしょう。

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流行語大賞『ONETEAM』と<チェスター・ウィリアムズ>のビール [ニュース]

(下書きの段階でアップしてしまい、一部の方にお見苦しい点をさらしまして大変

 失礼いたしました、また申し訳ありませんでした。)


今年の流行語大賞が発表されました。

大方の予想通り『ONE TEAM』が受賞となりました。

ノミネート30語のうち『にわかファン』『4年に一度じゃない。一生に一度だ』

『笑わない男』とラグビーワールドカップ関連が計4語エントリーされたことを

振り返ってもいかにワールドカップがブームを巻き起こしたかがうかがえます。

(笑わない男の)稲垣選手に『ONE TEAM』が大賞に選ばれたことをイン

タビューすると「ワンチームってよく言われますが、僕らは4年をかけて、チー

ムとしての文化を創り上げてきたわけです。その文化がワンチームなんです・・」

との答えが返ってきます。

また堀江選手も「ワンチームという言葉だけでワンチームになる、ということは

絶対にない」と発言しています。

彼らジャパンで活躍した当事者たちからの発言が示しているのは『ONE TE

AM』の真の意味は決して監督やヘッドコーチが掲げるトップダウンではなく選手

たちから声掛けして出来上がっていったボトムアップだということです。

流行に乗って、会社の上司が部下たちに「ワンチームでこのプロジェクトを成功

させてくれ」というような使われ方は典型的な誤用です。


それから堀江選手は「ラグビーをやっている人たちはみんなワンチームという

言葉は使ってきたと思います・・」とも述べています。


時は遡って今から24年前の1995年に第3回ラグビーワールドカップが南アフリカ

で開催されました。

この開催地の決定はラグビー界ばかりか世界においても画期的な出来事でした。

その1年前にかの有名な<ネルソン・マンデラ>大統領が誕生しアパルトヘイトが

撤廃されたことによりそれまで真の王者と言われてきつつもラグビーワールドカッ

プへの参加が認められていなかった南アフリカが加わることとなったのです。

そしてそのときのチームスローガンがなんと『ワンチーム・ワンカントリー』です。

分かりやすく言えば白人もカラード(非白人)もみんなひとつのチームとなって

戦い、ひとつの国となって応援しよう、ということなのです。

当時南アフリカのナショナルチーム=スプリングボクスの選手は殆ど白人で固めら

れていましたがその中で唯一人カラード(非白人)の選手が活躍していました。

その人こそ伝説のプレーヤー<チェスター・ウイリアムズ>氏です。


訃報 2019年9月6日 チェスター・ウィリアムズ氏 逝去 享年49歳 心臓発作


なんとも悲しいことにワールドカップ開催の2週間前にこの世を去ってしまいました。


さて、先日ラグビーウォッチャー仲間と横浜にあるラグビーダイニングバーで出会った

クラフトビールです。


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<チェスターズ IPA>

チェスター・ウィリアムズさんの名を冠したビールに出会いました!

なんでもこちらのお店のオーナーさんの働きかけがきっかけで、チェスターさん

自らが材料の選定や味のプロセスにも関わりかつ日本へ出荷するときもビールの

ケースをコンテナに積み込んだそうです。

しかもここのバーでチェスターさんがトークライブを行う予定だったとか・・・


味の方は苦甘くて濃厚な味わい、ワタシ好みの味覚でした。アルコール度数は

7°と濃いめです。


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メニューに目をやるとワールドカップ出場国のビールがずらり。

次回訪れたときの愉しみとしてとっておくことにしました。


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チェスター・ウィリアムズ氏のTシャツなどのグッズも揃っている

ようで、こちらも次回のお楽しみにしようかな、と。


ということで、流行語大賞の『ONE TEAM』フレーズつながりで故チェス

ター・ウィリアムズ氏をしのんで献杯し、いっぽう改めて南アフリカの優勝を祝

う乾杯を行いワールドカップロスをかみしめているのでありました・・・









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