杜の都仙台で気品高き赤煉瓦建物を鑑賞 [旅行]
ひと月前のレポで恐縮です。今年のゴールデンウイーク前半のこと、今年もイベント参加の
関係で宮城・石巻を訪れました。
ときに今回は宮城県在住の仲間たちが仙台で歓迎会を企画してくれたので喜び勇んで前日土
曜日の夕刻に仙台入りし、新鮮な魚料理とうまい酒に囲まれた大変充実した旅となりました。
仲間の皆さま大変お世話になりましてありがとうございました。
ところで仙台へ向かうに際して、自称乗り鉄の私としては趣味と実益を活かすべく各駅停車
を乗り継いだ旅の計画を立ててそれを敢行しました。
しかも社会科見学を兼ねて原発事故の復興状況をこの目で確かめてみたいとの思いから東北
本線ではなく常磐線経由としたのです。
乗継のサイトで調べたところ仙台18時過ぎに到着のスケジュールでシミュレーションすると
東京を10時過ぎの出発となるのでちょうどお手ごろな時間です。
けれど昨年福島で行われたイベントのときにもこの手法を使い現地に向かったもののJR東日
本の不安定なダイヤのえじきにかかり列車の遅延により乗継に失敗して集合時間に間に合わ
なくなったため途中で新幹線に切り替えたりしたのでコスパ最悪の旅となってしまった苦い
経験を思い出したので、万が一に備えて一本早いスケジュールで出発することとしました。
一本早いと言っても10分、20分の単位ではなく3時間近くも前倒しすなわち朝7時台のスタ
ートとなりました。出勤時間とまったく変わらない状況。
ということで常磐線乗り鉄の旅スタート・・・・ではなく今回のテーマはタイトルで示した通り
なのでここはサラッと運行の遅延が発生せず計画通りに進んだこと、それに福島県の原発事故
発生地域の景観は13年の歳月が被害の爪痕をほとんど修復してくれていたことを記すに留め
ておくこととします。
という事でここからが今回のテーマに沿う流れすなわち仙台到着が宴会時間より3時間近く
も早くなったので時間の使い方を考えた時思い立ったのが久々の古煉瓦鑑賞でした。
すかさずネットでチェックしてみてまずヒットしたのが<杜の都のれんが下水洞窟>
この遺構は明治30年代に築造された煉瓦造りの下水道だそうで平成22年度の土木学会選奨
土木遺構認定されたとのこと。
これは遺構としての価値が高いと感じてにわかに興奮したのですがもう少し調べてみると無
料で見学できるものの1週間前を締切とする完全予約制であることを知りガッカリでした。
そこで次にヒットしたのが<旧第二高等学校書庫>
仙台駅から徒歩圏内の東北大学片平キャンパス内に現存されているようです。
ということでここを訪れることに決めました。
駅から徒歩15分ほどで片平キャンパスにたどり着き、さっそく思わず写真に収めたくなる
素敵な建物に出会いました。
あとで入手した資料によると<旧仙台医学専門学校博物・理化学教室>だそうです。
こちらもとっても趣深い建物なのでついカシャ。
<東北帝国大学機械・電気工学教室>「エントランスホールが帝国大学の気品を残して
います」と解説されていますがまさにその通りだと感じるものがあります。
このほかにもそれなりに刺さる建物に出会うのですが片平キャンパス内をしばらくぐる
ぐるするも、本丸の古煉瓦建物が見当たらなので少し焦りを感じていたときに守衛室を
発見。
砂漠で水を求めているときにオアシスを見つけた気分です。
小走りで守衛室に向かいました。
年配の守衛さんが居りましたのですかさず目指す建物の位置を訊ねる。
登録有形文化財に指定されている建物だから秒殺で答えが返ってくると思ったら
「え、なんですかそれ?」と逆に質問されたので思わずズッコケてしまいました。
改めて解説してようやくその古煉瓦建物が現在は<文化財収蔵庫>であることを認識し
てくれたので道順を教えてもらうに至りました。
見つけました~
久々の古煉瓦にしばしウットリ。
イギリス積みのようです。
建築年が明治45年とのことなので当時主流だったイギリス積みで妥当か、と。
久々のレンガ鑑賞で魂を抜き取られたように頭が働ない状態に陥ったのですが、リセット
してから我に返ったとき、刻印を探してみることに行き当たりました。
あった。
地面から高さ1mくらいのところでしたので極めて見つけやすい位置でした。
しかしㇷと思ったのですが今まで探し出した刻印は社名とかカナ文字1字を〇で囲った
ものとかばかりで露骨に苗字の刻印は初めてです。
ウットリしていたらあっという間に時間が経過して仲間たちとの約束時間が迫っていた
ので急いで守衛室まで戻って目的物に出会えたお礼と素晴らしい建物だったと感想を伝
えたのと、煉瓦の刻印も見つけたことを報告すると、守衛さんに感激されてしまい、歴
史的建造物の研究をされている教授に報告します、と逆にお礼を言われてしまいました。
ということでいつもながら付け焼刃的行動ですがいつもながらまったく予想もしていな
かった展開を味わえて今回も満喫できた紀行でした。