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<地上の星>伝説のNHK紅白LIVE映像が再現~あのハプニングが再び… [音楽]

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NHKの音楽番組『うたコン』は毎週複数のアーチストたちが出演し、ライブで

歌唱を披露してくれていましたが、コロナ禍の影響でライブの形式は残している

ものの視聴者からのリクエストなども踏まえて過去の名シーンを放映してくれる

方式に差し替えられているので逆にこんなときだからこそ思いも寄らぬ懐かしの

名場面に遭遇する機会が増えています。


先日の蔵出しはなんとなんと中島みゆきさんが紅白に出場して唄われた<地上の星>

でした。


2002年12月31日に放映されたこのシーンを皆さんはご覧になられていましたか?

ワタシはこの場面をくっきりと憶えているのです。

というのもNHKの気合の入り方が尋常でなく

このとき初出場となる中島みゆきさんが歌われる場所は、紅白の会場たるNHK

ホールではなく、富山・黒部ダムのトンネル内というとてつもなく常識を逸脱

した企画だったのです。

<地上の星>と言えば名番組として今でも語り継がれている『プロジェクトX~

挑戦者たち~』(注、以下「プロジェクトX」に略します)の主題歌です。

そのご縁によりそれまで紅白歌合戦に出場が叶わなかった最後の超大物エンター

ティナーのひとりと数えられていた中島みゆきさんの出場が決まったのでしょう。

いっぽう『プロジェクトX』ですが、日本の高度経済成長期を支えた商品などの

知られざるエピソードをドラマチックにドキュメントタッチで取材した人気番組

でしたが、調べたら今からもう15年も前に番組は終了しているのですね。

(蛇足となりますが、やらせ問題が発覚して打ち切りとなってしまいました。

 この後継番組が『プロフェッショナル 仕事の流儀』です)

その『プロジェクトX』が取り上げた内容で特に評判の高かったのが「富山・黒部

の黒四ダム建設」であったため初出場の中島みゆきさん自らの提案でこの黒部ダム

から生中継で歌うことになったそうです。

しかしワタシがなぜこのときのライブをくっきりと憶えているかの答えは度肝を抜か

れた黒部ダムのトンネル内での熱唱も確かにインパクトはありましたが、それ以上に

中島みゆきさんが一部歌詞を間違えたため字幕の歌詞と違って放映されたというハプ

ニングが起こったことなのです。

話を『うたコン』に戻します。この日うたコンを視聴していて紅白での<地上の星>

を流します、とMCの谷原章介さんが案内されたとき即座にあのハプニングを再現する

のか・・中島みゆきさんの承諾は取れたのか、と下世話にも心配しながら俄然野次馬

根性丸出しとなって見入りました。もちろんアイフォンで録画もしましたよ。

そして問題の場面に差し掛かった時・・・ひょっとして映像を飛ばすかな、とも考え

たのですがそのまま放映。ところがそのシーンではこちらが考えもしなかったテク

ニックでこのハプニングを切り抜けていました。

それは中島みゆきさんが間違えて歌った歌詞に字幕を合わせたのです。

  ♪名だたるものを追って輝くものを追って人は氷ばかり掴む   を一番と同様に

  ♪(地上)にある星を誰も覚えていない人は空ばかり見てる と歌われたのでその

歌詞に差し替わっていました、お見事パチパチ。

いっぽう中島みゆきさんの姿に着目すると、アタマ出しが飛んで「地上」が無言になった

部分が少しだけ不自然に聞こえる以外顔色一つ変えずにこやかに熱唱する姿は百戦錬磨

のプロの風格が窺えます。

私がしばしば聴きに行くライブバーでボーカリストがユーミンのメジャーソングの歌詞

を一部間違えて歌われると(ユーミンへの敬意を表しているのとご本人の誠実な性格

にも由来しているのでしょうが)「間違えました~」とわざわざ伝えてくれますw

(申し出なければ誰も分からないのにです)


ライブにハプニングはつきものです。

そんなハプニングのまま『うたコン』では紹介してくれることを少しだけ期待しましたが

中島みゆきさん(かその取り巻き)がさすがにそれには首を縦に振らなかったのでしょう

かねえ。

でも当の中島みゆきさんはこの12年後に紅白出場へカムバックするに際し「また何かしで

かさないように頑張って歌わせて頂きます」と謙虚にコメントしているのですね。

ますます応援したくなります。ファイト♪~闘う君の唄を~



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