『【新刊本】高田馬場アンダーグラウンド』著者のトークショーに参加しました [本]
手塚治虫、江戸川乱歩、「神田川」(かぐや姫)からビニ本、自販機本、ブルセラ
フードルまで"伝説"はこの街で生まれた。
著者:本橋 信宏(もとはし のぶひろ)
発行所:駒草出版
2019年3月16日 第1刷発行
高田馬場のエピソード満載の新刊本が発刊されました。
ソネブロアカデミック部門(ってのはありませんがw)NO1ブログの落合道人
さんからご紹介いただいたので、すかさず職場近くや通勤途中の書店に買い
求めるもいずれも店頭には陳列されておりませんでした。
なのでお膝元高田馬場老舗書店<芳林堂>を訪ねたところさすが地元、どっさり
と何十冊も山積み状態で置かれていましたね。
でレジで会計を済ませたとき店員さんに「著者の講演会がありますが・・」と
声をかけられ日時を聞いたら4月12日(金)19時スタートで場所は同書店ビルの
最上階との回答。
なんとワタシの業務終了時間を勘案してくれたかのようなスケジュールに、これ
はもう参加せねばバチが当たると感じたのでその場で申し込みましたよ。
著者は<本橋信宏>氏。1956年生のアラ還、都の西北大学出身かつ職場も
住居も高田馬場(界隈)ということで本書を書き下ろされる環境においてこれ
以上の条件はないというほどのツボだと思います。
本書出版の前に『アンダーグラウンド』シリーズとしてすでに『上野アンダー
グランド』や『新橋アンダーグラウンド』を上梓され好評を博して来られた
矢先、満を持しての本書発表と言えるのではないかと感じます。
普段読書習慣のないワタシですが期待通り大変興味深い内容でしたので一気に
読み上げてトークショーに臨んだわけです。
ほぼ定刻でご本人登場。
なんかとても清潔感漂うジェントルマンなスタイルなのが意外でした。
『高田馬場』と『アンダーグラウンド』というキーワードを取り上げた
『文筆家』とくればボサボサヘアの奇人、肯定的に表現するならば
(風変わりな)芸術家を勝手に想定していたからです。
そしてトークのほうはスライドを交えてのものでした。
オープニングの話題は<(世界の)ビートたけし>
本の中でも登場しますが本日講演が行われているこの芳林堂ビルの会場で
まだ夜明け前の<ツービート>が毒舌漫才を披露していたとのこと。
時は1978年11月30日
それから神田川のスライドが現れ、それが川の中心部の島状の写真なの
ですが、『上総(かずさ)層』と言うそうです。
普通の地形では関東ローム層の下部を形成しているがこのように露出して
いるのは珍しい、と愛着のある神田川の解説でしたが、これは本の中では
取り上げられていない、なんかブラタモリを彷彿させる一面でありました。
それから1971年3月30日発行『少年マガジン』表紙のスライド、これも
本では取り上げていないエピソードです。
手塚治虫をはじめとした当時人気漫画家を一堂に会しての集合写真です。
最前列は手塚を真ん中に左が水木しげる、右が横山光輝
手塚先生と水木先生は犬猿の仲、とオフレコチックな話題。
ちなみに手塚先生は大変腰が低い、一方で嫉妬深かった・・とも。
また集合写真の片隅に当時はブレイク前の楳図かずおが新人同様の扱いで
写っていたとも。
本の中でも詳しく取り上げられている『神田川』(かぐや姫)のエピソードは
当然満載でしたが、作詞者:喜多條忠が実際に同棲していた3畳一間のアパート
近辺の神田川沿いの柵に赤いリボンを付けて目印にしたスライドも披露して
くれたのでそのうち訪れてみようと思います。
もちろんこのスライドもトークショー用で本には登場しません。
それから日本の推理作家パイオニア<江戸川乱歩>についても情報にあふれて
いましたが、本の中でも語られている乱歩のサイドビジネス。
下宿屋経営をしていたそうです。
その跡地は現在介護施設として浮世の変化を受け止め活躍されているそうです。
アンダーグラウンドと呼ぶに相応しい下ネタ系エピソードも枚挙にいとまなく
語られていました。伝説の風俗店<マダムマキ>のお客には超有名人が多数。
角界の著名人の固有名詞を挙げられてビックリ、もちろんオフレコ。
もうひとつのびっくりは人気女優殺人事件のこと。
<菊容子>という女優、ワタシは憶えておりません。
が著者によれば1970年代前半に活躍された若手女優だそうです。
その彼女が1975年4月29日未明住まいとしていた高田馬場のマンションの一室
で交際中の男に絞殺されたその場所をスライド示してくれたのですが、なんと
ワタシの知人が住んでるすぐそばなのです。
実際先日その場所を確かめてみてきました。
(この事実を知人は知っているのだろうか・・・)
と、そんなこんなで予定の1時間をあっという間に20分ほど超過してスピーチ
はお開きとなりそのあとはサイン会です。
ミーハーなワタシとしては行列に並んで本にサインを戴きながらお話もさせて
もらったので大変光栄なひと時でした。
本橋先生ありがとうございました。今後も注目してゆきたいです。
末筆ですが、本書は文字通り高田馬場エリアにまつわるアングラな
エピソードを著したものに他なりませんが、と同時に著者の自叙伝
あるいはファミリーヒストリーであると強く感じその部分に感銘を
受けました。
特に結びのエピソードが最も印象に残りとてもドラマチックな展開
をみせたトークショーだと思いました。
残念ながら個人情報に係るので詳しくは書けませんが・・・