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難行苦行の100Kmウォーク [旅行]

 10月15~16日に開催された「三河湾チャリティ100Km歩け歩け大会」に

参加してまいりました。

で、どこまで歩くことが出来たか・・・

どうにかこうにか制限時間内にゴールへ辿り着くことができました。

100Kmウォーク.jpg 

と結果は簡単に記載できますが、それはもう想像を絶する辛さでした。

何を糧にゴールまで歩き続けることができたのか・・

端的に言って意地以外の何物でもないのですが、少なくとも

このブログで参加を告白し、またブログを通じてお付き合いさせて

いただいている方々からの「がんばってください」メッセージが相当

強力なモチベーション維持となったことは間違いありません。

この場をお借りして御礼申し上げます。

 

まずは1週間前からの週間天気予報で不動の「雨」予報が続き

迎えた当日、予報が外れることもなく冷たい雨が降りしきる中

釣り師匠Uさんと名鉄で出発地点の「碧南」へ向かいました。

いっぽうこの大会参加をすすめてくれた(前回92Km地点で爪4枚を

剥がしリタイア)仕事先のIさんとその仲間たちは出発地点の至近

距離に前泊しており、我々が出発地に到着したときは既にスタートを

切るところでした。お互いゴールでの再会を確約。

我々もすかさず受付を済ませスタートします。彼らの30分遅れ、

午前8時10分でした。

あ、スタート前にこの日のために前月購入した「歩数計」の歩数を

ゼロにセットすることを忘れずに出発。

100Kmを歩くことが全く見当がつかないままどういう攻略法を立てたか

と言うと、とにかく「先行逃げ切り型」で行くことを決め込んでいました。

「はじめは抑え気味で過ごし、温存した体力を後半一気に使い切り追い

上げる」というアドバイスと「どのみち後半ペースが落ちるのだからスタート

より行ける所までハイペースを保つ」という正反対のアドバイスを受けた

のですが後者を選んでのです。

午前10時・・歩き出して約2時間、トイレ休憩でコンビニに寄る。

ここまで10Km、先にスタートしたIさん達に偶然会いました。

つまり30分差を詰めて追いついたことになります。

Uさんと談笑しながらにしては中々のペース、そしてくつろいでいる

Iさん軍団を後にしてお先に出発。

15Km地点・・大会ボランティアの方々が撮影をしていました。

「がんばってくださいね~」の一声に勇気が湧きます。

因みに歩数計でセットした距離をチェックしてみるとぴったり15Km

の表示、Uさんもその正確度に舌を巻いたほどです。

23Km地点(ここから先は約10Kmごとに、協賛してくれているコンビニの

駐車場に休憩スポットを設けマッサージサービスなどをボランティアの方々

たちの尽力により受けることが可能となっています)・・お昼をまわったあたり、

でも食欲があまり無かったのでゼリー飲料を摂取してしばし休息。

雨は降ったりやんだりが続いています。

なおここでひとつ発見したことが・・それは歩数計の距離が狂い出したこと。

実際の距離より長く表示しています。15Kmまではぴったり正確だったのに・・

でも冷静に考えたら当然であることに気付きました。

歩数計の距離表示のメカニズムは自分の歩幅を予め登録しておくシンプルな

しくみなので、要するに15Kmを過ぎてから疲労のため歩幅が狭くなった

ということなのですね。

さて、ここから先は既に会話をしながら並んで歩く余裕は無くなっていたので

単独行動です。私がUさんの先にたちました。

32Km地点・・体につけて歩くためのライトの支給を受ける。

現在は午後3時前ですが、これをつけたことにより自分が夜通し歩いている

姿のイメージが少しだけ見えてきました。

42Km地点・・途中コンビニに寄ったりしたので午後5時半頃到着。

かなり足が脹ってきたのでマッサージを受けたい衝動にかられましたが、

順番待ちが長そうなのでその時間が勿体ないと思い先に進む。

52Km地点・・この間の10Kmは疲労が蓄積したので相当苦労し、また

大幅なスピードダウンを余儀なくさせられました。

それまで抜くことはあれど抜かれることはまずなかったのに、この区間は

まったくその逆。

もう限界が近づいたのかと弱気になります。オマケに辺りは真っ暗だし、

『豊橋』という自分にとっては初めて踏み入れる街をひとりで歩いているので

心細いし、こんなに疲れているのに距離はまだ半分だし・・・

休憩スポットには「リタイア受付」の表示があり、終点の温泉宿を車体の

側面に表示したバスが停車しています。

リタイアを申し出るとそのバスに乗せられて終点まで運んでくれるのですが、

何か収容所送りを待つ捕虜のようなイメージが浮かびんだので「絶対バス

には乗るまい」と反骨精神がメラメラと湧き出てきました。

でも隣の椅子に座っていた若者が「もう限界なのでリタイアします」と係員に

申し出ている。

すると自分の中の弱気の虫も囁きだした-この若者のように、意地を張らずに

もう楽になっちゃえよ-心の中の葛藤。

制限時間はまだ充分だろうし行けるところまで行こうと、決心して腰を上げる。

62Km地点に辿りついたときは身も心もヘロヘロでした。

途中道案内の係員が「次の休憩地点まであと2Kmだよ」と教えてくれた

とき、まだ4~5Kmは残っているかと思って近場のコンビニで休憩しよう

と考えていた矢先だったので元気100倍となって程なく見えたコンビニを

通り過ぎてせっせと歩いたのでした。

ところが歩けど歩けど休憩地点らしき所が見当たりません。

随分歩いた先に別の道案内人の誘導を受けたので休憩地までどれくらいか

を尋ねたら「あと2Kmくらいですからがんばって・・」の一言。

「え”~」思わずうなり声をあげ、心が殆ど折れかけました。

後ろを歩いていたご婦人も「さっきもあと2Kmって言われたから頑張って

きたのに~」と相当めげた口調でした。

そんなこともあってこの10Kmは20Kmにも30Kmにも感じた長さだった。

ところでスタート時に地図を渡されたのですが、無造作にズボンのポケットに

しまい込んでいたので雨のため水に溶けてしまい解読不能となっていました。

本来であれば地図を見て残距離を自分で判断するべきですが、斯様な事情

のためつい道案内人に残距離を尋ねてしまう。

そして誤った情報を発せられたことに無性に腹を立ててしまうのは、疲労が

もたらす心のゆとりの無さ以外の何物でもありません。

でも逆にそれがいい方に作用することもあります。

次の休憩地点は72Kmかと思いきや70Kmだったので、さっきとは逆で

想定外に早く辿りついたため、現金なもので俄然元気を取り戻しました。

そしてその頃には既に12時を廻り日曜日に突入していました。

ここでは今回初めてマッサージを受けてみることにしたのです。

どの休憩スポットでもボランティアの方が親身になって足や腰をほぐして

くれています。

気休めのつもりで受けたマッサージですが、意外にも、否、驚くほど効果

抜群で、ほぼ死にかけていた我が両足は不死鳥のごとく甦った感じでした。

ところがそれまで降ったり止んだりだった、また降り方もソフトだった雨が

この頃から狂ったように降りだしたのです。

暫く雨宿りするも一向に雨足が弱くならないので、ナップザックに収めていた

替えの服とカッパに着替えいざ出陣。

折角もみほぐされて軽やかになった両足も豪雨と寒さのため、ややもすれば

元の状態に戻ってしまい、またも痛みとの闘いが開始です。

しかもこのあたりからは寒さとの闘いもしんどくなってゆきました。

でも途中見も知らぬ方が歩道に立っていて「頑張ってくださいね」と声援して

くれアメダマをもらいました。

そんな「思いやりアメダマ」を口に頬張りながら歩くと、心地よくてしばし痛みや

疲労を忘れさせてくれます。

こんな親切にまたも勇気づけられ、朦朧としながら4時間かけて83Km地点へ

辿りつく。

一度マッサージを受けた足は麻薬の如くもうマッサージなしでは歩くことが

出来ません。ということでここでもたっぷりボランティアの方のお世話に・・

日の出の時刻が近づき、雨はようやくあがる気配を見せつつありますが、

休息のためしゃがんでいると猛烈な睡魔が襲ってきました。

じっとしていると睡魔にやられそうなので屈伸運動をするなど休息を

取りながらも体を動かすことを怠らないようにしました。

次の87Km地点に辿りついた頃にはすっかり明るくなり、睡魔との

闘いには決着をつけることが出来たのでした。

そして94Km地点でもマッサージを受け、その先の急な上り坂を踏破し

いよいよ最後の休憩地点97Kmに到着。

今まで受けてきた中で最も気持ちいいマッサージを受け、ラスト3Kmの

道のりにチャレンジです。

もうこの痛み・苦しみから早く逃れたいとの一心から、自分でも不思議な

くらいハイペースで歩くことができました。(この区間で15人くらい抜かした

ことになります。あくまでも競走ではありませんが、)

そして待ちに待ったゴール!時計は11時45分を指しているので締めて

28時間弱の修行でした。

あれっ!?Iさんとその仲間たちにゴールで迎えられました。

抜かされたかなあ・・と尋ねたら、途中休憩ポイントで時間切れとなって

しまい、収容バスで送られてきたとのこと、ご愁傷さまです。

いっぽうUさんは私の約2時間後、残り1時間となったところで執念の

ゴール!お見事でした。

 ボロボロになった体を三河温泉でゆっくりと癒してから帰宅の途につきました。

めでたしめでたし、しゃんしゃん。


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コメント 14

tamanossimo

わぁお~~っ
おめでとうございます~~っ
何度もメゲそうになって・・・また立ち直って
無事にゴールなさったNO14Ruggermanさまに
心からの拍手を送ります~~♪
by tamanossimo (2011-10-22 00:56) 

song4u

本当におめでとうございます!
nice! を100回ぐらい押したい気分です!^^
冒頭に完走を書かれていたので、安心して読むことが出来ました。
マッサージがそんなに有効とは知りませんでした。
だからこそ、スポーツ選手がやってるんだなあ・・・なんて今さらながら、
能天気なことを思いました。
いやいや、本当にお疲れさまでした!
by song4u (2011-10-22 09:56) 

kawasemi

いゃあ、本当におめでとうございました。
100Kmなんて想像もできません。
もしかしたら富士登山にも匹敵するのかもと思ったりしています。

雨降りです。
東京都農業試験場の農業体験をしてきました。
残念ながら雨で講義のみになってしまいました。
12月には収穫体験があります。


by kawasemi (2011-10-22 15:24) 

NO14Ruggerman

tamaさまnice!&コメありがとうございます。
くじけそうになったときtamaさまの「がんばって」コールが
聞こえてきたような気がしたので前に進むことができました。
本当にありがとうございました。
by NO14Ruggerman (2011-10-23 10:23) 

NO14Ruggerman

song4uさんnice!&コメありがとうございます。
そうですか、読者を引っ張るには結果を
最後にすればよかったですかね。

マッサージの効果・・素人考えですが、筋肉って案外
アホだから能力の一部を使ったところで固くなって
それ以上の使用に拒絶反応を表すが、もみほぐす
ことにより筋肉をおだててあげる効果となり血行が
よくなって、また仕事ができるようになるのでは、
と感じました。
by NO14Ruggerman (2011-10-23 10:34) 

NO14Ruggerman

kawasemiさんnice!&コメありがとうございます。
登山と違い殆どフラットな道を歩くだけなので
大したことはないだろう、とタカをくくって参加した
のですが、大間違いでした。
からだにはあまりいいとは言えませんが、達成感
だけは充分得られました。
by NO14Ruggerman (2011-10-23 10:41) 

rtfk

本当にお疲れ様でした。
完歩されたことは素晴らしいことだと思います。敬服いたします。
私も自分の限界を試すことを何かしてみたいと思ってしまいました。。。
by rtfk (2011-10-23 13:57) 

ふぐたろう

おめでとうございます!
途中でくじけそうになりながらも踏破されたのですね。
記事を読んでリアルに情景が目に浮かびました。
本当にお疲れさまでした!
by ふぐたろう (2011-10-23 14:17) 

NO14Ruggerman

rtfkさんnice!&コメありがとうございました。
本庄-早稲田100Kmハイキングに挑戦し損ねて
以来30年ぶりに目標をかなえられたので
ホッとしています。応援ありがとうございました。
心より感謝いたします。
by NO14Ruggerman (2011-10-23 23:27) 

NO14Ruggerman

ふぐたろうさんnice!&コメありがとうございます。
やはり初参加=途中リタイアの一人は股づれと
ケツづれにやられた、とうなだれてました。
私も今回人生初のケツづれを体験しましたが、
「ワセリン」を用意していたので患部にたっぷり
塗り込んで大事には至りませんでした。
ふぐたろうさんの応援があったから故ふんばる
事が出来ました。本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。
by NO14Ruggerman (2011-10-23 23:34) 

sonic

完歩おめでとうございます!
自分も挑戦したくなりました。
....したくなっただけで、多分無理です(笑)。
11時間も歩けば、睡魔にも襲われますよね。
by sonic (2011-10-25 08:46) 

NO14Ruggerman

sonicさんnice!&コメありがとうございました。
したくなっただけで、多分無理です・・と仰らず
ぜひ挑戦してみてください。
ゴールした人たちの表情を観察していたら
男性は苦痛で顔をゆがめている人が多いのに
女性は余裕の笑顔でゴールを迎えている方が
多いと感じました。
(私の持論)女性の方が忍耐強い。
by NO14Ruggerman (2011-10-26 01:06) 

sig

すごいですね。まさに自分との闘い。
それにしても50数キロ地点で温泉宿直行バスの誘惑をよくぞ振り切りましたね。おめでとうございま~す。
by sig (2011-10-28 19:07) 

NO14Ruggerman

sigさんnice!&コメありがとうございました。
誘惑を振り切った結果のゴールは筆舌に
尽くしがたい充実感を味わうことが
できましたよ。
by NO14Ruggerman (2011-10-31 00:54) 

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